2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体親和性Ti-Nb-Sn超弾性合金の多孔質化と変形挙動の解析
Project/Area Number |
15760533
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
野村 直之 岩手大学, 工学部, 助教授 (90332519)
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Keywords | 多孔質金属 / 気孔率 / プラズマ回転電極法 / 弾性率 / 皮質骨 / 有限要素法 |
Research Abstract |
本年度(平成17年度)では、多孔質Ti-Nb-Sn合金焼結体の機械的特性を調査するとともに、多孔質体の弾性率を有限要素法により算出した。以下に具体的な実験項目を記し、その結果について報告する。 (1)多孔質Ti-Nb-Sn合金多孔質焼結体の機械的特性 Ti-Nb-Sn合金多孔質焼結体の弾性率および三点曲げ強度は、純チタンやチタン合金(Ti-15Mo-5Zr-3Al)多孔質体の挙動と同様に、気孔率の増加に伴って直線的に減少する。これらのチタン基多孔質体と強度特性を比較すると、同じ弾性率を有する多孔質体の場合には、Ti-Nb-Sn合金の0.2%耐力は最も高い値を示し、骨と同等の低弾性率を気孔を導入することにより達成し、従来の多孔質体よりも優れ、かつ骨の強度を大きく上回る新規生体用多孔質Ti-Nb-Sn焼結体の開発に成功した。 (2)有限要素法を用いた多孔質チタンの均質化弾性率の算出 多孔質体の弾性率は、合金自体の弾性率だけではなく、粉末の充填形体に依存するものと予想される。そこで粉末の充填形態を面心立方格子、体心立方格子、単純立方格子としてネック径を変化させた場合の均質化弾性率を有限要素法により算出した。その結果、面心立方格子および体心立方格子の場合にはネック径の増加とともに気孔率が減少し、弾性率は増加する。その値はこれまで報告された多孔質チタンの気孔率と弾性率の関係と一致した。つまり、高温かつ荷重存在下におけるチタン粉末は容易に変形して緻密な形態をとり、その弾性率は緻密に粒子を充填したものに近くなることを示している。しかし、充填度の低い単純立方格子では、ネック径が増加しても気孔率が増加せず、実験値から得られた気孔率と弾性率の関係とは一致せず、より高気孔率側に弾性率の値がシフトすることが本研究にて明らかになった。
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Research Products
(1 results)