2004 Fiscal Year Annual Research Report
表面偏析を利用した溶鉄の脱ガス反応の促進と鉄スクラップの高効率リサイクル
Project/Area Number |
15760550
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中里 英樹 (小野 英樹) 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30283716)
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Keywords | 表面偏析 / 反応速度 / 速度定数 / 相互作用係数 / 親和力 / 濡れ性 / 浸透 / トランプエレメント |
Research Abstract |
溶鉄に対して表面偏析する元素としてMn,Cu,Sn,Al,Si、反対に表面濃度が非常に小さくなる元素としてMo,W等がある。この中でMn,Cu,Mo,Sn,Wを合金元素として選択し、1973Kにおいて溶融Fe-M合金(Fe : Mn,Cu,Mo,Sn,W)表面における窒素の解離の化学反応速度を同位体交換反応法により測定し、反応速度に及ぼす合金元素の影響を調べた。その結果、鉄よりも窒素との親和力が強いMn,Mo,Wの含有量が増加すると、窒素の溶解反応の速度定数が増大する。一方、鉄中窒素との相互作用係数が正のCuの含有量が増加すると、速度定数は減少する。また、Snは著しく速度定数を減少させ、OやSなどと同様に表面活性元素として働くことがわかった。窒素の溶解反応速度に及ぼす合金元素の影響を表面吸着サイトの活量係数に基づいて解析を行い、その活量係数の値と溶鉄中窒素と合金元素間の相互作用係数との間には直線関係が成り立つことを見いだした。その関係から、溶鉄合金中窒素の溶解反応の速度定数を表す一般式を合金元素の窒素との熱力学的親和力及び表面相のモル分率の関数として作成した。 また、溶鉄表面に偏析するCu,Snを溶鉄-固体間の濡れ性および浸透現象を利用して除去する効果的な溶鉄の脱Cu,脱Sn法について検討した。微細な細孔を多く有するCaOを溶融炭素飽和鉄中に浸漬し、Cu,SのCaO中への浸透の様子を調べた。そのときの溶鉄中Cu,Sn濃度変化を調べ、本手法によりそれらの元素を除去可能であることがわかった。
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Research Products
(1 results)