2004 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化バクテリアセルロースの調製と金属吸着剤としての機能評価
Project/Area Number |
15760561
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
大島 達也 宮崎大学, 工学部, 助教授 (00343335)
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Keywords | バクテリアセルロース / リン酸化セルロース / 吸着 / イオン交換 / 金属吸着 / 分離 / セルロース誘導体 / 繊維 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度の実績を受けて第一にリン酸化バクテリアセルロース(以下PBCと略す)による重金属イオンの吸着特性について検討した。具体的にはFe(III)、Cu(II)、Mn(II)、Ni(II)、Co(II)などの各種金属陽イオンの吸着実験を行い、弱酸性領域におけるこれらの金属の吸着を確認した。リン酸基を導入していないバクテリアセルロースは吸着性を示さなかったことから、リン酸基による結合に基づいて吸着は進行していることが示された。pHを設定することで検討した全ての金属が定量的に吸着された。吸着選択性はリン酸基との親和性に基づき、リン酸基との結合定数の大きいFe(III)イオンは酸性領域でも定量的に吸着された。吸着等温線により飽和吸着量を求めた結果、PBCへの銅(II)イオンの吸着はLangmuir単層吸着モデルで説明された。銅(II)イオンの飽和吸着量は0.37mol/kgと低い値となったが、ここではリン酸基導入率が11.2%と低いPBCを用いためであるため、飽和吸着量の改善は期待できる。また、酸性水溶液による吸着種の溶出について検討した結果、PBCに吸着された銅(II)イオンはpH2以下の酸性水溶液で定量的に溶出され回収できることが示された。 他方、食用として知られるナタデココはバクテリアセルロースを主成分とする。新たな原料としてナタデココ由来のバクテリアセルロースのリン酸化について検討した。これまでと同様の方法にてリン酸誘導体が得られ、SEM観察を行った結果、ナタデココ由来セルロース、およびそのリン酸化体においても微細繊維構造が確認された。 これらの成果は現在、国際学会のプロシーディングに1報が受理されたほか、1報を投稿準備中である。
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Research Products
(1 results)