2003 Fiscal Year Annual Research Report
一方向凍結ゲル化を用いた多孔質マイクロハニカムの創製
Project/Area Number |
15760569
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
向井 紳 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70243045)
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Keywords | 多孔質材料 / ハニカム材料 / シリカゲル / ゾル-ゲル法 / 一方向凍結ゲル化 / マイクロ化学 |
Research Abstract |
湿潤ゲルを方向性を持たせて凍結することで繊維状のシリカゲルが製造可能であることは知られている(一方向凍結法)。この方法では専らゲル化した状態の前駆体を用いてきたが、通常ゲル化しないような希薄なゾルでも、凍結することでゲル化が可能であることを考えると(凍結ゲル化法)、希薄なゾルを原料に用いても一方向凍結法を適用することで繊維状はもちろん、他のマイクロ形状を有するシリカゲルが得られるものと考えられる。このような着想に基づき「一方向凍結ゲル化法」を提案し、研究を実施している。その結果、現在までに繊維状のシリカゲルに加え、薄膜状、マイクロハニカム状の多孔体の作製が可能であることを見出した。さらに、凍結時に発現する形状は主にゾルを調製してから凍結するまでの経過時間によって簡単に調節が可能であることも分かった。よって本法は今まで困難であった多孔体のμmレベルの成型を可能とする新規な成型法としての利用が期待される。 本研究では開発した一方向凍結ゲル化法で発現可能な種々なマイクロ形状の中で、将来種々の方面での利用が期待されるマイクロハニカムを取り上げた。まず、シリカゲルをモデル物質に用い、調製条件に対して一方向凍結後に現われる形状をマッピングすることにより、マイクロハニカム状のシリカゲルを安定的に得られる条件を明らかにした。その結果、マイクロハニカムを得るためには、ゲル化直前のゾルもしくはゲル化直後のゲルを用いる必要があり、作成した形状マップを利用することで希望の形状のシリカゲルを再現性よく作製できることを実証した。また、得られた湿潤ゲルの乾燥法について検討を行った結果、湿潤時にマイクロハニカム内に発達している細孔の収縮を抑制し、特異な細孔特性を維持するためには、凍結乾燥が非常に有効であることを実証した。凍結前の溶媒には水よりもt-ブタノールが適していることも明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.R.Mukai et al.: "Porous Properties of Silica Gels with Controlled Morphology Synthesized by Unidirectional Freeze-Gelation"Microporous and Mesoporous Materials. 63. 43-51 (2003)
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[Publications] S.R.Mukai et al.: "Formation of Monolithic Silica Gel Microhoneycombs (SMHs) Using Pseudosteady State Growth of Microstructural Ice Crystals"Chemical Communications. (in press).