2003 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ抽出を用いた金属イオンの分離・濃縮プロセスのシステム・オン・チップ化
Project/Area Number |
15760571
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
西浜 章平 北九州市立大学, 国際環境工学部, 講師 (00347668)
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Keywords | マイクロ抽出 / 分離 |
Research Abstract |
平成15年度は、(1)マイクロ抽出セルの作成と溶媒抽出系での適用、(2)抽出剤内包マイクロカプセルを用いた基礎研究について行った。(1)については、超高精度マイクロマシニング装置を用いて、アクリル板上に500〜100μmの幅の流路を作成し、120℃で熱圧着させることにより、並流の抽出セルの作成を行うことができた。流路を顕微鏡により観察したところ、非常になめらかに作成することができており、研究材料として用いることが可能であると判断された。また作成した抽出セルは、液漏れ等を起こすことなく、抽出操作に利用することが可能であった。次に、これを用いて実際の抽出操作を行った。抽出系としては、酸性抽出剤である2-エチルホスホン酸モノ-2-エチルヘキシルエステルによるプラセオジウムの抽出を採用した。マイクロ抽出系においては、二相流を流した際に容易に層流を達成することが可能であった。抽出は、(1)流路の深さの減少(断面積の減少)、および(2)流速の減少に伴い平衡に近づくことが示され、適切な条件下においては、わずか数秒にてほぼ抽出平衡状態に到達することが確認された。次に、マイクロ抽出セルに封入可能な抽出剤内包型マイクロカプセルの調製を行い、マクロな系における抽出性能の評価を試みた。マイクロカプセル調製時に溶媒に抽出剤を溶解させておくことにより、抽出剤内包型マイクロカプセルを調製することが可能であった。また、抽出挙動についても通常の抽出系における抽出挙動と差異はみられず、分離剤としての利用が可能であることが示された。
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