2003 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属層状化合物を用いた結晶性細孔壁を有するメソ多孔体の合成
Project/Area Number |
15760573
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
加藤 純雄 秋田大学, 工学資源学部, 助手 (50233797)
|
Keywords | 層状化合物 / メソ構造体 / 多孔体 / 合成 |
Research Abstract |
層状ペロブスカイト型酸フッ化物K_2NbO_3Fを出発原料として、Nb酸化物を成分とする多孔体を合成した。細孔形成のための構造規定剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム系界面活性剤(CnTMA:n=12-18)を用いた。CnTMA水溶液にK_2NbO_3Fを分散させpHを調製した後、室温から70℃で反応を行った。その結果、n=14-18ではpH=5以下で2d-六方構造、pH=10ではラメラ構造のメソ構造体が得られ、n=12の場合は高pH条件においても2d-六方構造のメソ構造体が得られた。2d六方構造体のXRDパターンから求めた面間隔d_<100>は界面活性剤のアルキル鎖長nの増加に伴い大きくなり、界面活性剤の選択により細孔径の調整が可能であることを示した。得られた構造体中の構造規定剤を焼成により除去し多孔体化を試みたが、空気中、330℃での焼成によりメソ構造が崩壊した。そこで熱安定性の向上等を目的に添加剤として、リン酸およびオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を添加した複合体の合成を行った。その結果、いずれの添加剤を用いた場合でもメソ構造体が得られた。これらの複合体について、多孔体化を目的として焼成による構造規定剤の除去を行った。その結果、リン酸添加の場合には空気中、330℃で3h焼成することで27cm^2/gの比表面積を有する多孔体が得られた。しかし、焼成後の多孔体中には規則的なメソ構造はみられなかった。一方、TEOS添加の場合には、仕込み組成でSi/Nb=1.8,3.5,7の時に空気中450℃で3h焼成することでそれぞれ比較的均一なサイズのメソ孔を有する多孔体が得られた。窒素吸着法により多孔体の細孔物性を測定した結果、Si/Nb=3.5および7の場合、比表面積はそれぞれ522、571cm^2/g、平均細孔径がそれぞれ3.2、2.9nmであることがわかった。
|