2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15760578
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西山 憲和 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (10283730)
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Keywords | メソポーラスシリカ / 分離膜 / ゾルゲル法 / ナノ細孔 / 合成 / 薄膜化 |
Research Abstract |
限外ろ過膜と逆浸透膜の丁度中間の大きさの細孔を有する膜をナノろ過膜と呼び、その細孔径の大きさから、有機塩素化合物、農薬類、VOC類の除去など水処理や空気浄化に期待されている。現在、ナノろ過膜の素材として、ポリアミド系樹脂が一般に研究されているが、耐熱性が40℃までしかないことや、耐有機溶媒性に乏しいことから、使用可能な分離プロセスが限定される。そこで、本研究では、細孔径や細孔構造が制御可能な「周期的均一ナノ細孔を有するシリカ」に着目し、その薄膜化を行い、新規な分離プロセスを構築することを目的とする。 本年度は、3次元細孔構造を有するMCM-48、および1次元細孔構造を有するMCM-41からなる膜を合成した。 (1)1次元細孔構造を有するメソポーラスシリカ膜の合成 ディップコーティング法およびスピンコーティング法により薄膜を形成させた。支持体を表面処理することにより、支持体への原料の過剰な浸透が抑制され、膜厚を減少させることができた。 (2)3次元細孔構造を有するMCM-48膜の合成 メソポーラスシリカ粉末あるいは微粒子を基板上に塗布し、種結晶とした。メソポーラスシリカ粉末あるいは微粒子を基板上に塗布し、種結晶とした。水熱合成法により薄膜を形成させた。種結晶が存在することによって周期構造体の形成が容易になることが分かった。また、支持体への原料の過剰な浸透が抑制され、膜厚を減少させることができた。 ガス透過法により、膜の緻密性の評価を行い、膜に大きなクラック・ピンホールが存在しないことを確認した。
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