2003 Fiscal Year Annual Research Report
電極上における自己集合性分子の吸着形態の高度制御によるストレス応答型感応膜の創製
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15760592
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
森田 誠一 和歌山工業高等専門学校, 物質工学科, 助手 (70332054)
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Keywords | リポソーム / タンパク質 / ストレス応答 / 自己集合体 |
Research Abstract |
1 金属電極表面の疎水性と自己集合性分子の吸着形態の制御 ストレス応答性を有する超分子であるリポソームの電極上への固定化を試みた.水晶振動子マイクロバランス(QCM)の金電極表面にカルボキシチオールの自己集合単分子層(SAM)を形成させた場合,裸金電極およびメチル末端チオールのSAMを形成させた場合に比べて,リポソーム溶液中での振動数変化が大きく,リポソームがそのまま電極表面に吸着していることが分かった.さらに,SAMのカルボキシル基をコハク酸イミドで活性化し,ホスホアミノエタノール導入リポソームと接触させると両者間のアミノカップリング反応によって化学的に中性リン脂質より調製したリポソームを固定化することができた.このとき,活性化時間を変化させるとリポソームの固定化量を制御できることも分かった.また,同手法により,様々な粒径(50〜400nm)のリポソームも粒径を保って固定化された.一方,ビオチン化脂質を導入したリポソームを用いると,アビジン-ビオチン結合の繰り返しによってリポソームによる電極被覆率が100%を越え,リポソームの積層が確認された. 2 固定化リポソームとタンパク質との相互作用の測定 固定化リポソーム層が固定化前と同等の表面特性およびストレス応答性を有していることを確認するために,変性タンパク質の吸着量をOCMを用いて測定した.0-2.5Mの変性剤塩酸グアニジン(GuHCl)で変性させた炭酸脱水酵素(CA)の溶液にリポソーム固定化QCMを浸漬すると,CAが変性中間体の状態にあると考えられる[GuHCl]=1-1.5MでCAの吸着量が最大となり,タンパク質の変性状態に依存したリポソーム-タンパク質間相互作用が観測された.
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