2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15760606
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
後藤 浩二 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (60274487)
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Keywords | 不安定破壊 / 破壊靱性値 / 活性化自由エネルギー / 応力・ひずみ関係 / 脆性 / 延性 |
Research Abstract |
不安定破壊発生評価に関するこれまでの研究では,シャルピー値による定量的評価の限界から,破壊力学パラメータの適用による評価が指向されたが,現象の物理的意味の解釈については未だ研究途上である。 研究代表者は,不安定破壊の発生は破壊様式が脆性・延性・両者混合のどのような場合でも,破壊発生領域の状態を一義的に反映するパラメータを指標とすることで,不安定破壊限界条件を統一的に取り扱えると考え,破壊発生領域の活性化自由エネルギを直接反映するパラメータに着目した。 活性化自由エネルギを直接反映するパラメータとして,最初に,Bennetらが導出したR値を用い,その後,統計力学的考察に基づくパラメータFn値を導出し,これらの一義的関数として破壊靱性値を整理できるか否かの検討を行ったが,若干のばらつきが見られるため,本研究ではよりよいパラメータの導出について検討した。 その結果,R値には変形が継続して生じる効果が考慮されていないことが判明したので,R値に転位運動により生じる「等価な運動エネルギー」を考慮した,新しいパラメータであるRnを提案した。 このパラメータを指標とすることで,任意ひずみ速度・温度下における応力/ひずみ関係を精度良く推定出来ることを確認した。 さらに,任意載荷速度・温度下における破壊靱性試験結果を,破壊発生領域におけるRn値で整理した結果,R値やFn値以上に,破壊靱性値との一義的関係が見いだせた。なお,Rn値は破壊発生点の代表点としてRiceらにより定義されたIDNZ先端における値を用いた。 以上の結果,本研究で導出したRn値は,鋼材の脆性・延性状態に関わらず系の状態を一義的に表現できるパラメータであることが確認された。
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