2003 Fiscal Year Annual Research Report
籾殻焼却灰とフライアッシュを原料とするフィリップサイト合成法の最適化
Project/Area Number |
15760615
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福井 国博 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60284163)
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Keywords | 籾殻焼却灰 / フライアッシュ / フィリップサイト / アルミネートイオン / シリケートイオン / 水酸化ナトリウム / ヒドロキシソーダライト |
Research Abstract |
マッフル炉で燃焼条件を変化させて作製した籾殻焼却灰を使用し、フィリップサイトのみを合成することができないフライアッシュ(シリカ分が不足成分)に籾殻焼却灰を混合したものを原料として、2.0N水酸化ナトリウム水溶液で水熱合成法によってゼオライトを合成し、生成されたゼオライトの結晶構造及びアンモニウムイオン吸着能、イオン交換能を測定した。その結果、フライアッシュ(Si含有率51.0%,Si含有率37.0%)40.0gに籾殻焼却灰8.2gを添加することでフィリップサイトのみを選択的に合成できることが明らかとなった。その際に得られるアンモニウムイオン吸着能は、38.0mg/gであった。 ゼオライト合成に深く関与すると考えられるアルミン酸イオンとシリケートイオンの籾殻焼却灰及びフライアッシュからの溶出特性を評価した結果、籾殻焼却灰は、90%以上のSi含有率を有し、その溶解速度も非晶質シリカ粒子とほぼ同等であり、純粋シリカ源としての使用も可能であることがわかった。また、フライアッシュからは、シリケートイオンは単調に増加するのに対し、アルミン酸イオンは最大値をとった後に減少し、零となる。このことから、フライアッシュからゼオライトを合成する際の収率を決定するのはAl源であることがわかった。さらに、水熱処理液であるNaOH濃度が高くなると、フィリップサイトのみを合成するのに必要な籾殻焼却灰の添加量は増加することも明らかとした。 また、これらの測定結果及びフライアッシュ・籾殻焼却灰からの各イオンの溶出特性からゼオライト生成反応の機構の定式化および速度論的解析を行った。一方、籾殻焼却灰とフライアッシュからフィリップサイトを合成すると、結晶成長待ち時間および結晶の成長速度が早くなるという特異的な現象を発見した。
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