2003 Fiscal Year Annual Research Report
核融合炉ブランケット配管への酸化カルシウムコーティング作成手法の検討
Project/Area Number |
15760629
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
鈴木 晶大 核融合科学研究所, 炉工学研究センター, 助手 (80332188)
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Keywords | リチウム / 核融合炉ブランケット / 酸化カルシウム / コーティング / プラズマスパッタ / バナジウム合金 |
Research Abstract |
本研究では、核融合炉液体リチウムブランケット配管コーティング材料として耐リチウム腐食性の酸化カルシウムに注目し、この材料の特性を損なわずに、配管構造材料候補である低放射化バナジウム合金上に薄膜化する手法を検討している。本年度は、まず、東京大学工学部に既設のプラズマスパッタ成膜装置を用いて酸化カルシウムコーティングの試作研究を行った。さまざまなパラメータで作成したコーティング材の膜厚、組成比、不純物濃度、及び電気抵抗値等を測定した。試作したコーティングは、多くの非金属不純物を含んでおり、空気中の二酸化炭素や水分を吸収したものと考えられる。また、本研究では、予め若干の酸素を導入しておいたバナジウム合金表面上で、蒸発させた金属カルシウムに化学反応を起こさせる事によって酸化カルシウム膜を生成させるという蒸着反応によるコーティング生成を試みる。本年度は、蒸着反応によるコーティング作成の準備として、バナジウム合金表面近傍への酸素導入試験を行った。酸素の導入は、TG内で、バナジウム合金試料を700℃程度まで加熱し、数ppmの酸素を含んだアルゴンガスと反応させる事によって行った。表面に吸収される酸素と試料内部へ拡散する酸素のバランスを取るために、試料温度及び酸素分圧を適切に変化させ、表面に酸化膜が生成しない条件で酸素導入を行った。さらに、作成した試料をアルゴン封入した試料をイメージ炉にて700℃でアニールした。試料断面の硬度測定を行う事によって、コーティング作成時に表面に最適な速度で酸素を供給しつづけるように、酸素濃度の深さプロファィルを最適化した。
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