2003 Fiscal Year Annual Research Report
ジャイロ運動論的トロイダル粒子コードを用いた電子異常輸送の研究
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15760630
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
井戸村 泰宏 特殊法人日本原子力研究所, 炉心プラズマ研究部, 研究員 (00354580)
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Keywords | ジャイロ運動論 / 粒子シミュレーション / 捕捉電子モード / 電子温度勾配駆動モード / イオン温度勾配軌道モード / バウンス運動論的捕捉電子モデル / ドリフト運動論的電子モデル |
Research Abstract |
今年度は主に電子系乱流のシミュレーションに向けたコード開発に重点を置き、これまで、イオン系乱流の解析を目的として開発を進めてきたジャイロ運動論的トロイダル粒子コードGT3Dに以下のモデル拡張を行った。 ●ITG(イオン温度勾配駆動)-TEM(捕捉電子モード)乱流解析のための捕捉電子モデルの拡張 〓以下の3つの(捕捉)電子モデルを開発した。 1.完全ドリフト運動論的電子モデル 2.ドリフト運動論的捕捉電子モデル 3.バウンス運動論的捕捉電子モデル モデルの検証として、ITG-TEMモードの線形計算、および非線形計算での保存則の検証を行った。線形計算に関しては全モデルでほぼ同じ周波数、成長率スペクトルが得られることを確認した。 〓線形計算に関しては原研とプリンストン大学-カリフォルニア大学アーバイン校のグループとの間で共同ベンチマークを実施し、結果が定量的に一致することを確認した。 〓非線形計算に関しては、3.でエネルギー保存の確認ができていないため、引き続き問題点の検討を行っている。計算コストの面からは、1.,2,では原研Origin3800システムにおける長時間の非線形計算は難しく、より計算コストの低い3.を採用する必要があることがわかった。 ●ETG(電子温度勾配駆動)乱流解析用の中空トーラス配位コードの開発 〓これまでの完全トーラス配位のGT3Dにおいて境界条件を修正し、中空トーラス配位コードを開発した。 〓本コードを用いた線形計算の結果、トロイダルモード数n〜1000という非常に短波長のETGモードの周波数・成長率スペクトルを高精度で解析できることを確認した。 〓予備的な非線形計算において、電子ラーマー半径の1000倍程度のシステムサイズをとれば、境界条件の影響を受けないシミュレーションが可能であり、保存則等も収束することを確認した。
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[Publications] Y.Idomura, S.Tokuda, Y.Kishimoto: "Global gyrokinetic simulation of ion temperature gradient driven turbulence in plasmas with canonical Maxwellian distribution"Nuclear Fusion. 43. 234-243 (2003)