2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15770027
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野口 航 大阪大学, 理学研究科, 助手 (80304004)
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Keywords | 呼吸 / AOX / 窒素 / 呼吸鎖 / 安定同位体 |
Research Abstract |
窒素栄養に対する呼吸系の応答については、呼吸と窒素濃度との相関を調べた研究以外には数少なく、その相関の背景にあるメカニズムも不明である。低窒素条件下では、葉にデンプンが蓄積し、光合成が阻害されることが知られている。呼吸系は過剰の炭水化物を消費し、植物体内の炭素と窒素のバランスをとるのに働くと言われている。呼吸鎖にあるATP合成とは共役しないAOXが過剰な炭水化物を効率良く消費すると考えられているが、AOXが炭水化物の消費系としてどの程度役立っているのかは分かっていない。本年度では、ミトコンドリアを単離しやすいホウレンソウの葉を用いて、単離ミトコンドリアを用いた呼吸鎖電子伝達系の解析、ミトコンドリア呼吸酵素の活性測定、およびwestern blottingによるタンパク質量の定量を行った。結果として、(1)ミトコンドリアタンパクあたりのAOXの最大活性(コハク酸とNADHを基質とし、還元剤とピルビン酸で活性化した条件)は、低窒素条件では非常に高い値を示した。AOXとシトクロム経路末端酸化酵素COXの最大活性の比(AOX/COX)も、低窒素条件ほど高い値を示した。(2)western blottingの結果では、AOXタンパク量は最大活性と同様に低窒素条件ほど多かった。しかしAOXと同じようにATP合成とは共役しないuncoupling protein量は窒素条件による違いはなかった。(3)ミトコンドリア呼吸酵素として、fumarase,NAD-isocitrate dehydrogenase,malicenzyme,malate dehydrogenase,citrate synthase,acontaseの最大活性を測定した。ミトコンドリアタンパクあたりの最大活性は、多くの酵素で低窒素条件ほど高かった。
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Research Products
(5 results)