2004 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物におけるオーキシンを介した根の形態形成機構の分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
15770028
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
深城 英弘 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (80324979)
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Keywords | 側根形成 / シロイヌナズナ / オーキシン / 根毛形成 / 重力屈性 |
Research Abstract |
高等植物におけるオーキシンを介した根の形態形成、特に側根形成の分子機構を解明する目的で、シロイヌナズナ側根欠失優性変異体slrと原因遺伝子IAA14、オーキシン応答性転写調節因子ARF7/ARF19を用いた分子遺伝学的研究を行い、以下の成果を得た。 1、側根形成を制御するSLR/IAA14とARF7、ARF19の機能解析 (1)IAA14がARF7、ARF19タンパク質と相互作用することを酵母two-hybrid実験において確認した。これらの結果などから、ARF7、ARF19が側根形成促進に働き、IAA14がARF7/ARF19の負の調節因子として働くことが強く示唆された。 (2)側根形成に関わる遺伝子群を同定する目的で、野生型とslr変異体の根における発現プロファイルをDNAマイクロアレイにより比較・解析した(ベルギーBeeckmanらと共同研究)。その結果、細胞周期関連遺伝子、オーキシン代謝や輸送に関わる遺伝子がslrで抑制されていることがわかった。 2、組織特異的なオーキシン応答と側根形成との関係についての解析 根のどの組織で発現する変異型IAA14タンパク質(mIAA14)が、側根形成抑制に関わるのかを明らかにするために、根の組織特異的なプロモーターの制御下でmIAA14タンパク質を発現する形質転換体を作出し解析した。根の内鞘を含む中心柱、あるいは原生木部に接する内鞘細胞のみで特異的にmIAA14を発現する植物体では、側根形成が著しく抑制された。一方、側根形成初期から原基内部で異所的にmIAA14-GRを発現する植物においても、異常な分裂組織構造を持つ側根が形成された。これらの結果から、組織特異的なオーキシン応答が側根形成開始や側根原基発生過程に重要であることが明らかとなった
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Research Products
(2 results)