2003 Fiscal Year Annual Research Report
臨界降伏圧を調節する細胞壁結合性タンパク質イールディンのリガンドの探策と解析
Project/Area Number |
15770030
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
中里 朱根 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (20297047)
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Keywords | イールディン / 細胞壁構成多糖 / 細胞壁の伸展 / 細胞壁の力学的性質 / 伸長成長 / ミトリササゲ / 臨界降伏圧 |
Research Abstract |
本研究の目標は、細胞壁の酸性化によって誘導される臨界降伏圧(Y)の変化を制御しているyieldin (YLD)というタンパク質の作用機作を明らかにすることであり、それを手がかりにYの実体と細胞壁の伸展過程の分子機構に迫ろうとするものである。そのためにH.15年度はまずYLDのリガンドの探索と解析を目的とした。 YLDを固定化したアフィニティクロマトグラフィを使って、ミトリササゲ芽生えの伸長成長部域由来の切片より24%KOHを用いて分離した非セルロース性の細胞壁構成多糖からYLD親和性多糖の単離を行った。その結果、キシロース、グルコース、マンノースおよびガラクトースを含む、分子量約120kDの多糖が得られた。 今回単離されたYLD親和性多糖とYLDの相互作用は酸性条件下で強く、pH4の条件下では1μgのYLDあたり約245mgの糖が結合するのに対してpH6の条件下では結合量はその10分の1以下であった。またササゲ中空胚軸(GHC)を用いて再構成実験を行い、YLD親和性多糖がYにどのような影響を及ぼすかを検討したところ、100μg/mL以上のYLD親和性多糖をGHCにあらかじめ与えた場合、細胞壁の酸性化に伴うYの変化は完全に抑制された。これらの結果から、今回単離されたYLD親和性多糖がYLDによるY調節に何らかの重要な役割を持っていることが示唆された。 H.16年度には、今回単離されたYLD親和性多糖の糖組成の精密な解析と構造解析によってこの糖を同定し、またこの糖に対する坑体を作成、免疫細胞化学的手法によってこの糖の生体内での分布を検討する予定である。
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