2004 Fiscal Year Annual Research Report
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15770069
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
椛島 力 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (20274673)
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Keywords | 糖質代謝 / 転写因子 / 転写調節 / リン酸化 / 脱リン酸化 / タンパク質間相互作用 / プロテインホスファターゼ / 糖質応答領域結合タンパク |
Research Abstract |
多くの糖質代謝に関与する酵素遺伝子の上流には、糖質応答領域(Carbohydrate response element ; ChRE)と呼ばれる配列が存在し、これにより、酵素遺伝子の転写は調節されている。これまでに、このChREに結合する転写因子として幾つかのタンパク質が報告されてきたが、in vivoにおいて糖質(グルコース)に応答するものは見い出されていなかった。最近、L-型ピルビン酸キナーゼ(L-PK)のChREに結合する転写因子として、ChRE binding protein (ChREBP)がラット肝臓より精製された。本転写因子は、飼料中のグルコース濃度や絶食により、そのDNA結合能が変化すること、また、精神遅滞などの症状を有する遺伝性疾患のWilliams-Beuren症候群と関連している可能性があることが報告された。これまでに、我々は、ChREBPが、cAMPやグルコースのシグナルにより、リン酸化/脱リン酸化されることを見出し、これが本転写因子の核内移行やDNA結合能を調節していることを報告した。また、脂肪酸によるL-PK遺伝子の転写の阻害が、AMP活性化プロテインキナーゼによるChREBPのリン酸化によるものであることを明らかにした。ChREBPの核内移行と標的配列への結合は、3ケ所のリン酸化部位の脱リン酸化により行われており、この脱リン酸化を触媒するセリン/スレオニンホスファターゼの同定を行った。その結果、この脱リン酸化酵素はXylulose 5-phosphateにより活性化されるプロテインホスファターゼ2A (PP2A)であることを明らかにした。PP2Aには、いくつかのアイソフォームが存在するが、数種の抗PP2A抗体を用いたところ、ChREBPの脱リン酸化を行う酵素は、最近報告されたPP2Aδと同一か非常に似ている酵素であることが明らかになった。 また、ChREBPと相互作用するタンパク質を調べたところ、ChREBPは、核輸送タンパク質のImportinαおよび転写因子のMlx (max like protein X)と結合しており、ChREBPのChREへの結合にはMlxが必要であることを明らかにした。
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