2003 Fiscal Year Annual Research Report
アミノアシル-tRNA合成酵素の基質認識機構の解明と選択的阻害剤開発に関する研究
Project/Area Number |
15770084
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
滝田 禎亮 京都大学, 農学研究科, 助手 (70263126)
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Keywords | アミノアシル-tRNA合成酵素 / 基質認識機構 / 阻害剤 |
Research Abstract |
1.多様なアミノアシル-tRNA合成酵素のクローニングと発現 本研究で新たに調製したものは、E.coli由来のTrpRSとTyrRS、B.stearothermophilus由来TrpRS、およびヒト由来のLysRSである。TyrRS以外はすべてC-末端にヒスチジンタグを付加した。電気泳動的に単一に精製し、ATP-PPi交換反応の速度論的パラメーターを算出した。これらの値は、すべてこれまでに報告されている値とよく一致した。 2.X-線結晶構造解析 クラスIIaaRSのモデルとして、B.stearothermophilus由来LysRS (BsLysRS)とL-リジン(及びアナログ)の複合体の結晶数例について解析を終了した。 3.ピロリン酸アナログ阻害剤の探索 phosphonoacetic acid、phosphonoformic acid、 methylenediphosphate (Met-PPi)の阻害を検討したところ、Met-PPi以外の化合物は1mMまでで上記のaaRSを全く阻害しなかった。一方、Met-PPiはクラスIの酵素には1mMまでで阻害を示さなかったものの、クラスIIのBsLysRSに対しては顕著な阻害効果を示した。また、ヒト由来のLysRSに対しても阻害が確認された。ATPの代わりにβ,γ-methylene ATP (AMPPCP)を基質として用いたところ、BsLysRSではATPに比べて低いレベルではあるがL-リジンを活性化した。一方、BsTrpRS、E.coliTrpRSでは対応するアミノ酸の活性化を検出することができなかった。また、AMPPCPを阻害剤として反応系に添加した場合も、B.s.LysRSでは顕著なATPに対する拮抗阻害が確認されたのに対し、BsTrpRSでは1mMまでで活性の減少は有意には見られなかった。
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