2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15770112
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤本 充章 山口大学, 医学部, 助手 (80359900)
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Keywords | HSF / 白内障 / Crystallin |
Research Abstract |
HSF4遺伝子破壊マウスでの白内障発症の解析を、各週齢の組織切片を用い調べたところE15.5ではレンズ繊維細胞に異常を認めないが、生後2日目ではその腫張を認め、4週齢で白内障が現れた。また白内障を起こしている、レンズの繊維細胞中に凝集体の形成を確認した。 HSF4ターゲット遺伝子を知る目的で熱ショック蛋白質群とレンズ蛋白質で最も主要なCrystallin群の発現を免疫染色、ウエスタブロットを用い解析した結果、HSF4欠損マウスにおいてHsp27とγ-Crystallin蛋白質が著しく低下していることが分かった。γ-Crystallinの遺伝子異常の多くが白内障を引き起こすことがヒトとマウスで知られている。γ-Crystallinは、6種類のファミリーからなり、HSF4欠損マウスにおいて全ての遺伝子の発現RT-PCRで確認したところ、すべてのγ-Crystallinで低下していることがわかった。上流配列の解析が進んでいるγF-crystallinプロモーター領域を解析した結果、HSF4依存的にプロモーター活性が上がること、HSF4が結合するHSE様配列が存在することが明らかになった。このγ-Crystallin群全てのプロモーター領域にHSEが存在した。これらHSE配列にHSF4が結合し転写調節できるかを、γF-crystallinプロモーター領域を用いレポーターアッセイ、ゲツシフトアッセイで解析した。HSE配列変異体では転写活性が無く、HSE配列持つものでは転写活性が見られることより、確かにHSF4は、γF-crystallinプロモーター領域に直接結合し転写調節を行うことが分かった。更にレンズよりゲノムを調整し、抗HSF4抗体でクロマチン免疫沈降法を行い、γF-crystallinプロモーターのHSE配列を含む領域をPCRで検出することが出来た。以上のことより、HSFはすべてのγ-Crystallin群を直接転写制御し、レンズ形成過程に必須であることが明らかになった。
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