2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分化制御因子の動物個体レベルにおける機能解析と発がんとの関係
Project/Area Number |
15770120
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 華子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00332370)
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Keywords | 分裂酵母 / 異種間機能相補 / 細胞分化 / 細胞増殖 / トランスジェニックマウス / T細胞 / 免疫応答 / Two-hybridシステム |
Research Abstract |
ROD1及びRCD1は共に、分裂酵母の分化異常温度感受性変異株から異種間機能相補クローニング法によって単離された高等動物の遺伝子である。分裂酵母内で分化/増殖に寄与する能力を示したこれらの遺伝子は、動物細胞内においてもやはり分化制御因子として機能する。 ROD1はヒト細胞株K562に発現させると、巨核球・赤芽球への分化抑制能を示す。また、マウスの臓器の中でも、骨髄や脾臓など造血器官において顕著にタンパク発現量が高いことも特徴である。これらのことからROD1トランスジェニックマウスは、血球分化に何らかの異常を示すものと期待された。しかしながら、同世代四週齢ROD1トランスジェニックマウス二系統とそれらの野生型同腹子の比較を行ったところ、末梢血中の血球細胞分布に異常は認められなかった。これに続いて、外来抗原の投与によって免疫反応を惹起した場合の応答性を検討している。T細胞依存的な免疫応答を惹起するためにNP-CGG及びSRBC、そしてT細胞非依存的応答をみるための抗原としてDNP-ficollをそれぞれ腹腔内投与し、ELISAによって抗体価を測定する計画である。昨年度末の飼育施設のトラブルのために、本年度半ばまでSPFグレードのマウスが揃わず実験計画の遂行が大幅に遅れてしまっているが、現在は抗原の腹腔内投与まで完了し、経時的な血液採取の開始に至っている。 一方、Rod1,Rcd1周辺因子の単離のために、出芽酵母のTwo-hybridシステムを用いたスクリーニングを行ってきた。Rod1についてはPCNA始め増殖に関係する幾つかの既知遺伝子が取れたもののその他の大多数と、Rcd1側のスクリーニングで得られた大半のものは機能不明な配列であった。今回のスクリーニングにはヒト骨髄由来ライブラリを購入/使用したが、ライブラリの種類や品質を検討し直す必要があると考えている。
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