2003 Fiscal Year Annual Research Report
新規ユビキチンリガーゼHOIL-1のユビキチン化制御機構
Project/Area Number |
15770131
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
桐浴 隆嘉 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30347497)
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Keywords | ユビキチン / ユビキチンリガーゼ / 鉄代謝 |
Research Abstract |
HOIL-1は鉄代謝因子IRP2をユビキチン化するRING型ユビキチンリガーゼとして同定された。しかしながら、細胞内での機能形態や作用機序など未解明の点が多い。本年度では、HOIL-1の細胞内機能形態を探究した。まず、HOIL-1を特異的に認識するモノクローナル抗体を作成した。作成した抗体を用い、ヒト培養細胞から調整した細胞質タンパク質をゲルろ過クロマトグラフィーにより分子サイズで分離し、HOIL-1の分布を調べた。その結果、分子量約57kDのHOIL-1が500kD付近に検出されることが明らかになった。このことは、HOIL-1が細胞内で複合体(HOIL-1複合体)を形成し、HOIL-1が単体で機能するのではなく複合体として機能することを示唆している。その後、HOIL-1単独ではHOIL-1複合体を形成するには不十分であることが分かり、他の因子が複合体形成に必須であることが予想された。そこで、HeLa細胞破砕液からイオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、HOIL-1抗体カラムを用いてHOIL-1複合体を単離し、複合体に含まれる因子をPMF解析により探索した。その結果、機能未知のRINGドメインを持つ分子量約120kDの因子HCC(便宜上の名前)の同定に至った。さらに、HOIL-1とHCCを外来的に細胞に発現させると内在性の複合体と同様の約500kDの複合体を形成すること、HOIL-1とHCCはそれぞれ少なくとも二量体以上のホモノオリゴマーを形成することを明らかにした。このことから、HOIL-1複合体はHOIL-1とHCCの多量体から形成されると考えられる。HOIL-1もHCCもRING型ユビキチンリガーゼの特徴を有しており、HOIL-1複合体は多量体ユビキチンリガーゼとして細胞内で機能している可能性を秘めている。
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Research Products
(1 results)