2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15780006
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
常松 浩史 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 生物資源部, 主任研究官 (50360392)
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Keywords | イネ / 深根性 / DNAマーカー |
Research Abstract |
当初の計画ではコートジボアールのWARDA圃場でコアーサンプル法を用いてイネ遺伝資源の深根性を評価予定であった。しかし、コートジボアールの内戦の影響が予想以上に長引き、現地での圃場試験の遂行は不可能であった。試験に供試する予定であった材料はWARDAから少量回収することができたが、圃場試験に用いるには充分ではなかった。そこでコートジボアールの隣国のマリで種子の増殖を行った。同時に日本で補完可能な種子についても増殖を行った。日本では一部出穂せず、充分な種子を確保できない品種もあったが、マリではほぼ全ての品種の増殖ができた。 現地での圃場試験は不可能であったが、寒天培地を用いた深根性の評価法について検討した。内径8.5cm、高さ16.5cmの紙コップに濃度0.08%、0.8%、1.6%、2.4%および3.2%の寒天培地を600mlずつ入れ、培養に用いた。充分に催芽させたイネ5品種(5個体)を各コップあたり一粒ずつ播種し、寒天を完全に覆うように灌水した。播種後10日目に各個体の地上部と地下部の長さを計測した。その結果、同一品種で寒天培地の濃度と地下部の関係を見ると、寒天培地が硬いほど種子根の伸長が促進されていた。逆に寒天の濃度と地上部の長さは反比例の関係にあった。同一濃度で地下部の長さの品種間差を見ると、寒天濃度が3.2%の時に品種間差が最も大きくなった。 以上のことから、今後は3.2%の寒天濃度を用いて幅広いイネ遺伝資源をスクリーニングし、播種直後により深根性を示す品種の選抜を行う。同時に次期雨期作ではWARDAが研究部を移転させたマリのバマコで、同一材料を用いて圃場での深根性の評価を行う。両者の結果をあわせて、深根性の簡易検定法の開発に役立てる。
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