2003 Fiscal Year Annual Research Report
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15780012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松井 勤 京都大学, 農学研究科, 助手 (70238939)
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Keywords | イネ / 受粉 / 裂開 / 安定性 |
Research Abstract |
国内外の在来品種改良品種を用いて葯の下部の裂開部のサイズと葯の構造,受粉の安定性との関連を屋外で調査した結果,以下の結果を得た. 1.葯下部の裂開部の長さと開花時に柱頭に付着した花粉の粒数の平均値・変動係数との間には強い相関が認められた. 2.葯下部の裂開部と柱頭上に40粒以上および80粒以上の花粉が付着していた穎花の割合との間には強い相関関係が認められた. 以上より正常な環境において受粉の安定性は葯下部の裂開部のサイズと密接に関係していると考えた. 次に高温多湿条件をグロースキャビネットを用いて作出し,国内外の在来品種改良品種を用いて葯の下部の裂開部のサイズと葯の構造,受粉の安定性との関連を調査し,以下の結果を得た. ・高温条件下においても葯下部の裂開部の長さと柱頭に20粒以上の花粉が付着する穎花の割合との間には強い相関関係が認められた. 正常な受精には20粒の柱頭付着花粉が必要であることから,葯下部の裂開部の長さは高温多湿条件下における不稔耐性と密接に関係していると結論した. デジタルマイクロスコープを用いて受粉プロセスを観察し,葯下部の裂開が受粉において果たす役割を検討した結果,葯下部の裂開が大きい品種では,開花時に容易に花粉が柱頭に落ちるのに対し,葯下部の裂開が小さい品種では,開花直後に柱頭に花粉が落ちにくく,このため受粉が不安定になると考えられた. 顕微鏡を用いて葯の構造と葯下部の裂開部のサイズとの関係を調査した結果,エンドセシウム細胞におけるU字型の肥厚および大小葯胞の長さの差異が裂開部の大きさに関係しているのでは無いかと考えられた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] MatSui T, Kagata H.: "Characteristics of floral organs related to reliable self-pollination in rice (Oryza sativa L.)."Annals of Botany. 91. 473-477 (2003)
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[Publications] Matsui T., H.Kagata: "Gas Exchange through the slit between the lemma and palea in the rice (Oryza sativa L.) floret before anthesis."Plant Production Science. 6. 262-264 (2003)