2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15780028
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
上町 達也 滋賀県立大学, 環境科学部, 助手 (40243076)
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Keywords | アジサイ / 装飾花 / 花房型 / 花序 / Subtractive Hybridization / 不定芽 / 組織培養 |
Research Abstract |
本研究はアジサイの花房型の制御に関与する遺伝子の単離を目的としている.本年度は、額咲き型花房で特異的に発現する遺伝子を単離するために、Subtractive Hybridization法を行った.Hydrangea macrophylla品種'ブルースカイ'(額咲き型)と,'ブルースカイ'から芽条変異により発生した手まり咲き変異枝の挿し本株(手鞠咲き型)を供試した.額咲き型の花芽を0.03g、手まり咲き型の花芽を0.3gに調整し、それぞれmRNAを抽出した.磁性ビーズの付いたdTプライマーで逆転写を行い,磁性ビーズ付きのcDNA(アンチセンス鎖)を作成した.額咲き型では、このアンチセンス鎖のcDNAを鋳型として、センス鎖のcDNAを作成した.額咲き型のセンス鎖cDNAと手まり咲型のアンチセンス鎖cDNAをハイブリダイズした.ハイブリダイズにより2本鎖となったcDNAを磁石を用いて除去し、ハイブリダイズされなかった額咲き型のセンス鎖cDNAを回収した.このハイブリダイズ処理を5回行った後、ハイブリダイズされなかった額咲き型cDNAを含む溶液を用いてPCRを行った.PCR産物の電気泳動を行った結果、500〜2000bpの間に5本のバンドが得られた.今後、これらの増幅産物について塩基配列を決定しノーザン解析を行っていく予定である.また同様の手法で、手まり咲き型{こ特異的に発現する遺伝子についても調査する. アジサイにおけるカルスを経由した植物体再生系の確立を試みた.葉身と胚軸のいずれからもカルスは誘導されたが、葉身由来のカルスからの植物体の再生はほとんどみられなかった.胚軸を外植体として用いた場合、0.5mg・1^<-1>NAA添加培地で誘導したカルスを0.1mg・l^<-1>NAAと1mg・l^<-1>BAを添加した培地で培養すると、33%のカルスで不定芽が形成された.
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