2005 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
15780055
|
|---|
| Research Institution | Kobe University |
|---|
Principal Investigator |
竹中 慎治 神戸大学, 農学部, 助手 (40314512)
|
|---|
| Keywords | L-リジン / Pseudomonas / 脱アミノ酵素 / L-リジン2-モノオキシゲナーゼ |
|---|
| Research Abstract |
微生物酵素によるL-リジンから高付加価値のある含窒素複素環化合物の大量合成法の開発を最終目標とし,L-リジンのアミノ基を選択的に脱アミノする脱アミノ酵素生産菌を分離し,同菌由来の酵素の精製と特性解析をした.
L-リジンを唯一の窒素源とする培地にて分離した菌株の中から同培地にて良好な生育を示しかつL-リジン脱アミノ酵素生産量の高いK-70-1株を選抜した,本菌の形態的および生化学的性質,16SrRNAの塩基配列の解析からK70-1株をPseudomonas属であると同定した.
K70-1株の生産するL-リジン脱アミノ酵素を精製した.2.6%の収率で72倍に精製でき,比活性は63U/mgであった.本酵素の分子量はゲル濾過法にて77,000,SDS-PAGEにて78,000であった.本酵素のpHおよび熱安定性について検討したところ,pH7.5において最も安定で,60℃で10分間約100%の活性を維持した.至適pHは7.0であった.酵素反応生産物をUV, TLC, GC-MSにて同定した.σ-アミノベンズアルデヒドにてジヒドロキナゾリニウム複合体とし,UV分析したところ,450nmに極大吸収を示した.これは,既報の論文のΔ^1-ピペリデイン2-カルボン酸(P2C)複合体由来の極大吸収波長と一致した.TLCの移動度およびGC-MSのフラグメンテーションパターンはオーセンティックなP2Cと一致した.本酵素反応における酸素消費量とP2Cの生成量について調べた.30分間反応で0.18mMの酸素を消費し,0.13mMのP2Cを生成した.1molのL-リジンが1molの酸素の消費を伴って2-位のアミノ基が遊離し,2-オキソ-6-アミノカプロン酸となり非酵素的な環状化によりP2Cが生成したと結論した.K70-1株の生産する脱アミノ酵素はL-リジン2-モノオキシゲナーゼであった.
|
