2003 Fiscal Year Annual Research Report
コーヒー含有二次代謝産物(ポリフェノール類)の生合成機構の解明
Project/Area Number |
15780076
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
水野 幸一 秋田県立大学, 生物資源科学部, 講師 (30302376)
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Keywords | コーヒー / カフェイン / ポリフェノール |
Research Abstract |
当初はコーヒーの果実を材料にその登熟段階をおって、ポリフェノールの生合成が活発な時期を特定する予定であったが、サンプルの状態が悪く、比較が不正確になる恐れが生じた。そこで本年度は研究の前段階として葉の生長時期をおってサンプリングし、これを実験材料とした。コーヒーカフェインシンターゼのcDNAをプローブとしたノーザンブロット分析から、カフェインの合成は若い葉ほど盛んであることが示されている。目的のポリフェノール類の合成もそれと同調していると考えられる。まず、生長段階を長径の長さから3段階に分けて葉を回収し、使用するまで-80℃にて保存した。つぎに、各段階で発現しているタンパク質を網羅的に見るために、二次元電気泳動による分析を試みた。タンパク質は各資料からアセトンパウダーを調製したのち、それらに等電点電気泳動用緩衝液を加え、超音波処理することによって抽出した。二次元目を泳動後、さらに抗CTS2抗体を用いたウエスタンブロット分析を行い、カフェインシンターゼファミリーのタンパク質の増減を調べることで、他のタンパク質の増減の指標とした。一方、本研究課題に関連して、カフェインシンターゼファミリーの遺伝子に部位特異的変異を導入した変異体を大腸菌で発現させ、弱いながらカフェイン合成系の3段階いずれのメチル化反応も触媒することができる変異型酵素の作製に成功し、これについて日本農芸化学会2004年広島大会において発表した。 コーヒーの木は、温室内の管理された環境下では3月下旬から5月上旬の時期が開花期にあたる。今期は開花・結実状況が良好であることから、当初予定の果実を材料にした実験に移行すべく、現在試料調製中である。
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[Publications] Mizuno, K.ほか5名: "The first committed step reaction of caffeine biosynthesis : 7-methylxanthosine Synthase is closely homologous to caffeine synthases in coffee (Coffea arabica L.)"FEBS Letter. 547巻. 56-60 (2003)
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[Publications] Mizuno, K.ほか4名: "A new 9-lipoxygenase cDNA from developing rice seeds"Plant and Cell Physiology. 44巻. 1168-1175 (2003)