2004 Fiscal Year Annual Research Report
TIMバレル型酵素のN,C末端相互作用と安定性の相関と酵素の環状化による安定化
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15780078
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Research Institution | National Food Research Institute |
Principal Investigator |
金子 哲 独立行政法人食品総合研究所, 生物機能開発部, 主任研究官 (90343821)
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Keywords | キシラナーゼ / 糖質加水分解酵素ファミリー10 / 熱安定性 / N、C末端相互作用 |
Research Abstract |
Streptomyces olivaceoviridis E-86のファミリー10キシラナーゼの立体構造をもとに、4種類(変異体キシラナーゼ1〜4)の環状キシラナーゼをデザインした。環状キシラナーゼは、インテインを両端に持つ様に発現ベクターを構築し、大腸菌に形質転換し、タンパクの発現を行った。発現タンパクよりインテインを切り離し、キシラナーゼの環状化の反応を行い、SDS-PAGEに供して環状化反応の可否をチェックした。変異体キシラナーゼ1と2は推定分子量サイズの位置1本のバンドが確認され、N末端アミノ酸配列を解析したところ、デザインした変異体酵素のN末端配列に相当したことから、これら2つのキシラナーゼ変異体の環状化はうまく行かなかったと判断した。一方、変異体キシラナーゼ3と4に関しては、SDS-PAGE上で期待される分子量サイズの位置に2本のバンドが確認された。それらのN末端アミノ酸解析では高分子側のバンドのアミノ酸配列は解析できたが、低分子側の配列は確認できなかったことから、変異体キシラナーゼ3と4については環状化されたと判断した。そこで、4種類の変異体キシラナーゼの熱安定性を解析した。変異体キシラナーゼ1と2は、ほぼ同様の熱安定性を示しており、至適温度は50℃であった。これらの酵素は環状化がなされていないため、天然型酵素の至適温度60℃と比べ、熱安定性が低下していた。一方の変異体キシラナーゼ3と4に関しては、環状化されていることから、天然型より熱安定性が優れている事が期待されたが、至適温度は60℃であり、天然型酵素の至適温度と同じであった。
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Research Products
(1 results)