2004 Fiscal Year Annual Research Report
病原性細菌に発現する「普遍的糖鎖」解析のバイオプローブ開発
Project/Area Number |
15780089
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
一柳 剛 国立大学法人鳥取大学, 農学部, 講師 (00302240)
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Keywords | 3-Deoxy-D-manno-oct-2-ulosonic acid / LOS / LPS / Vaccine / Carbohydrate conjugate / Glycoconjugate / Isocyanae / α-glycoside |
Research Abstract |
本研究では、病原性グラム陰性細菌がその細胞外膜に産生する複合糖脂質-リポオリゴ糖(LOS)、リボ多糖(LPS)-の「普遍的糖鎖」部分に存在する酸性糖KDO(3-deoxy-D-manno-oct-2-ulosonic acid)に焦点をあて、その構造解析および生物化学的意義を解明するためのバイオプローブ開発を目指し、そのための立体選択的グリコシル化とオリゴ糖鎖コンジュゲートの構築を目的としている。 本年度は、KDO糖鎖-タンパクコンジュゲートの糖鎖還元末端側となるKDOとタンパクとを結合させるためのスペーサー(リンカー)との立体選択的縮合反応について検索を行い、以下の点を明らかにした。 1.Methyl 4,5,7,8-tetra-O-acetyl-3-deoxy-D-manno-oct-2-ulosonateを求核剤に用い、側鎖に塩素を有するアルキルまたはアリールイソシアン酸誘導体との縮合反応では、最高収率94%でKDOのαグリコシドが選択的に得られる。 2.この反応で得られる主生成物は、分子内環化を伴ったスピロケタール構造を持つ。 3.ケトースとピラノースとの反応性の差及び立体選択性を比較するためマンノース、及びヘプトース誘導体とイソシアン酸誘導体との反応を行った。その結果ピラノース誘導体の方が反応性が高いものの、α立体選択性が低いことが明らかになった。しかし、反応溶媒をアセトニトリルに変更することにより、立体選択性を大きく改善することが出来た。 4.コンジュゲート合成を行うためにイソシアン酸誘導体の測鎖ハロゲン基を化学変換することにより、アミノ基へと誘導しアミノ酸と縮合することにより、糖アミノ酸ユニットとすることが出来た。
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