2003 Fiscal Year Annual Research Report
プレバイオティクスとして機能する微生物産生グルカンの研究
Project/Area Number |
15780103
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
清水 純 城西大学, 薬学部, 助手 (70297597)
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Keywords | β-1,3-グルカン / カードラン / プレバイオティクス / ビフィズス菌 |
Research Abstract |
実験1:微生物産生の直鎖β-1,3-グルカン(以下SBG)がラットの下部消化管において分解され、オリゴ糖サイズのSBGが生成しているかどうかの確認を行った。SBG投与ラットの盲腸内容物から抽出・精製した糖をTLCにより検出すると、盲腸内容物中に単糖と2糖が検出された。さらに、この糖の生成がSBG分解酵素によるものかどうか判断するため、盲腸内容物の無菌上清をSBGとともに培養し、培地中のオリゴ糖を示差屈折検出器を装着した高速液体クロマトグラフにより分析した。単糖(グルコース)は培養開始時より認められ、培養96時間まで経時的に濃度が上昇した。2糖は培養開始24h以降から経時的な濃度上昇が認められた。これらの結果から、ラット下部消化管内において細菌の酵素反応によりSBGから単糖と2糖が主に産生されることが判明した。実験2:次にラットの盲腸内容物からビフィズス菌選択培地より分離したビフィズス菌を、セルロース(対照)またはSBGを投与したラットの盲腸内容物の無菌化上浦を添加した液体培地で培養し、増殖速度を測定した。その結果、SBG投与ラットの内容物では増殖速度の高いことを認め、その盲腸内容物中にビフィズス菌増殖促進物質の存在が確認された。さらにビフィズス菌6株と乳酸桿菌4株の標準株による、オリゴSBGの資化性を調べた。2糖と3糖はビフィズス菌の2株と乳酸桿菌の3株に強く資化されたのに対し、4糖ではビフィズス菌の2株にのみ資化性が認められた。この結果より、2糖、3糖及び4糖はビフィズス菌による資化性の高いことが判明した。以上、SBG投与ラットの盲腸内で生成される2糖と3糖のオリゴSBGが、ビフィズス菌の増殖促進に寄与していることが明らかとなった。
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