2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15780110
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齊藤 陽子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00302597)
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Keywords | モミ / 繁殖 / 花粉 / 飛散距離 / マイクロサテライト |
Research Abstract |
本研究では暖温帯の主要な森林構成樹種であるモミが、森林の分断化によってその繁殖にどのような影響を受けるかを明らかにすることを目的として、モミ孤立木の種子生産の実態を把握し、また人工交配により自家受精の可否や花粉親の選択性について明らかにする。そこで本年度は、主に孤立木および人工交配対象候補木の選定および個体間の遺伝的な距離を測るために必要なマイクロサテライトマーカーの開発を行なった。モミ成木1個体の針葉からCTAB法でDNAを抽出し、Dual-suppression-PCR法(Lian and Hogetsu,2002)を用いて17個のプライマーセットを設計した。現在、これらの17マーカーについて得られる対立遺伝子数やそれぞれの多型性について成木40個体の針葉を用いて明らかにし、利用可能なマーカーを検討している。また、平成16年度4月から5月に行う予定の人工交配の交配候補木を選定するために、東京大学大学院農学生命科学研究科附属千葉演習林において、高所作業車を用いた作業が可能と考えられる林道沿いのモミの成木について、平成16年2月に雄花の有無を双眼鏡によって確認し、候補木を絞り込んだ。雄花の花芽がついていた候補木の針葉を、開発したマーカーを用いて互いの遺伝的距離を出すため採取した。さらに、千葉演習林内および周辺を探索し、花粉の飛散距離を推定するのに用いることができる種子の採集が可能な孤立木の候補木を決定した。
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