2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15780118
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
伊原 徳子 独立行政法人森林総合研究所, 森林遺伝研究領域, 研究員 (40353594)
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Keywords | スギ雄花 / 遺伝解析 |
Research Abstract |
・形質調査 スギの雄花着花に関する変異体CR46の交配家系(F2集団)について、2003年12月に着花調査を行い、2002年1月、2003年1月に行った調査とあわせて形質の遺伝性について解析した。調査項目は、着花の有無、着花の程度、着花の位置、根元直径、の4点である。3年連続で着花した個体は全体の約4分の1であり、また3年連続で着花した個体は着花量も多い傾向にある。このことから雄花をつけやすい、という性質に関しては、以前から示唆されるように劣性遺伝である可能性が高い。また、個体サイズとは関連がなかった。 ・マーカーの開発 238遺伝子に由来するSTSマーカーについてCR46及び種子親として用いた2個体、計3個体間の塩基多型をスクリーニングした。STSマーカーに用いた遺伝子は、(1)雄花着花個体で誘導される遺伝子や発現が抑制される遺伝子が濃縮されるようサブトラクション法で構築したcDNAライブラリから得られた遺伝子、(2)発達中のスギの雄花より構築したCDNAライブラリから得られた遺伝子、(2)スギの連鎖地図上から10cM間隔となるように選んだ遺伝子、の3タイプを含んでいる。165STSについてスクリーニングを終了し、遺伝解析に使用可能な140マーカーを得た。 ・F2集団の遺伝解析 CR46に特有の変異を持つ遺伝子座のうち23について、遺伝子型と着花に関する形質の関連を調べたが、特定の遺伝子型との関連は今までのところ見いだされていない。 ・雄花誘導時に発現の変化する遺伝子の同定 マーカー開発の過程で得られた、花成に関与する可能性のある遺伝子について発現の季節的変化を着花個体、未着花個体でチェックした。着花個体、未着花個体で差がある候補遺伝子を3つ得た。
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Research Products
(1 results)