2003 Fiscal Year Annual Research Report
スギ花芽・花器官形成遺伝子および転写制御領域の単離と機能解析
Project/Area Number |
15780121
|
Research Institution | Forest Tree Breeding Center |
Principal Investigator |
大宮 泰徳 独立行政法人林木育種センター, 育種部育種工学課, 研究員 (70360469)
|
Keywords | スギ / 花芽形成 / MADS box gene |
Research Abstract |
花芽・花器官特異的に発現する遺伝子およびプロモーターの単離と機能解析 1.双子葉・単子葉植物の花芽および花器官形成遺伝子MADSファミリーの相同配列からdegenerateプライマーを設計し、PCR法により得た6種類のMADS相同遺伝子の断片をもとに、3'RACE法を用いて非相同領域の配列を決定した。アラビドプシスの既知遺伝子と塩基配列を比較したところ、雄ずいと雌ずいの決定に関わるAP3/PI遺伝子(B遺伝子)、雌ずいの発育に関わるSHP2、FUL遺伝子、および機能が未知であるAg16/13遺伝子とそれぞれ相同性が高く、いずれも花器官の形態形成に関わっていることが示唆された。現在これらのDNA断片をプローブとして、当初自前で作成したライブラリーのスクリーニングを試みたが目的のクローンを単離することができなかった。したがって、ライブラリー作戒の再検討を行うとともに、九州大学および理研にて4月末完成予定のスギBACライブラリーを利用して再度プロモーター領域のスクリーニングに挑戦する予定である。 2.ジベレリン処理によって誘導したスギ花芽を用いてcDNAライブラリーを作成するためのmRNAの調製を終了し、ライブラリー作成を開始した。 花芽・花器官決定遺伝子の発現解析 アラビドプシスのAP3/PI(B遺伝子)ホモログ遺伝子のcDNAをプローブとして、ノーザンハイブリダイゼーションによってmRNAの時期特異的、および組織特異的な局在を調べた結果、花芽形成時において雄ずいの形成とともに発現量が増加し、成熟とともに発現が消失したことからアラビドプシスのB遺伝子の発現パターンを相補した。現在SHP2、FUL遺伝子についても同様に実験を進めつつある。
|