2004 Fiscal Year Annual Research Report
農業用水路の魚類生息場としての機能解明:水理環境の季節変動と魚類生活史に関連して
Project/Area Number |
15780167
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Research Institution | National Institute for Rural Engineering |
Principal Investigator |
小出水 規行 独立行政法人農業工学研究所, 農村環境部, 主任研究官 (60301222)
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Keywords | 農業排水路 / 魚類分布 / 生息場環境 / 千葉県下田川流域 / ドジョウ |
Research Abstract |
本研究の目的は魚類生息場としての農業排水路の機能を解明することである。水路環境の物理的要因(水深、流れ、底質、植生等)について季節変動を明らかにし、生息魚類の個体数分布やその個体の成長段階等を把握する。環境要因と魚類個体群との変動特性を精査することにより、魚類生息場としての水路機能を評価する。 平成16年度の実績は次の1〜4である。 1.魚類採捕と環境計測:前年度に継続して、千葉県下田川流域(9.9km^2、本川延長5.1km)の本川及び排水路29本を対象に、各水路1〜29定点において電気ショッカーとタモ網による魚類採捕、水深、流れ、底質、植生被度等の環境要因計測を各月1回実施した。 2.生息魚類の特徴:全調査期間(2年間)を通じて、計24種30,632個体(本川:24種9,623個体、水路:13種21,009個体)を採捕し、その種及び個体数組成から当流域は河川中下流域の魚類相をもち、全種個体数の75%を占めるドジヨウが優占種となった。また、当流域にはレッドデータ指定種のホトケドジョウ、スナヤツメ、メダカが生息することも明らかとなった。 3.水路環境の特徴:水路は改修の有無や材質等によって4型に分類され、水面幅、水深、流れには灌漑に伴う季節変化がわずかに認められるが、その変動幅を考慮すると調査時における水理条件は通年して安定的と考えられた。底質は水路全体で砂泥が主体となり、植生被度はなしまたは低密が大半を占めた。 4.魚類と水路環境との関係解析:調査水路の魚種数やドジョウ個体数密度に規制的な影響を及ぼす環境要因の特定、タモロコを対象とする成長段階別の生息場ポテンシャル推定について解析を進めている。
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Research Products
(2 results)