2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15780175
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
島村 智子 日本獣医畜産大学, 応用生命科学部, 助手 (50350179)
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Keywords | 乳製品 / 乳酸菌 / 苦味ペプチド |
Research Abstract |
平成16年度研究実施計画に従い,研究を進めた. 1.苦味ペプチド消去作用を示す乳酸菌の選定 乳製造に関連の深い乳酸菌(Lactococcus属11種,Lactobacillus属15種)の苦味ペプチド消去作用についてスクリーニングを行った.その結果,消去作用に強弱は認められたものの,26菌種全てが苦味ペプチド消去作用を有していることが明らかとなった.同時に,Lactobacillus属よりもLactococcus属が高い苦味ペプチド消去活性を示すことが判明した. 2.苦味ペプチド消去作用とX-prolyl dipeptidyl aminopeptidase (PepXP)活性の関連についてPepXPはX-Pro-YのX-Pro,すなわちProを含むジペプチドを遊離することが可能であることから,苦味消去作用に重要な役割を果たし得る.そこで,上記の乳酸菌26種についてPepXP活性を測定し,苦味消去作用との関連について調べた.両指標の相関はLactobacillus属で0.566(n=15),Lactococcus属で0.498(n=11)となり,有意な相関は認められなかった.この結果は,各種乳酸菌中に存在する苦味ペプチド消去酵素がPepXPのみではないことを示していると考えられた. 3.苦味消去酵素の局在性について Lactococcus lactis ssp. lactis 303をloosely-associated cell wall, cell wall lysate, cytoplasmic, cell membraneの4フラクションに分画し,各画分の苦味ペプチド消去作用について調べた.測定の結果,loosely-associated cell wall fraction以外の画分は高い苦味ペプチド消去作用を示すことが明らかとなった.今後,この結果をもとに更なる精製を進める予定である.
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