2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15780175
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
島村 智子 日本獣医畜産大学, 応用生命科学部, 助手 (50350179)
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Keywords | 乳製品 / 乳酸菌 / 苦味ペプチド |
Research Abstract |
平成17年度研究実施計画に従い、研究を進めた。 先の研究においてLactobacillus属よりも高い苦味ペプチド(GPFPIIV)消去能を示すことが明らかとなったLactococcus属乳酸菌11菌種について、さらに詳しい検討を行った。各乳酸菌由来粗酵素抽出物(CFE)を調製し、苦味ペプチド消去能を測定したところ、全ての乳酸菌に69.0-98.7%の高い苦味ペプチド消去能が認められた。その消去能は菌体収量には比例しておらず、菌種によって潜在的苦味ペプチド消去能が異なることが判明した。続いて、菌体収量あたりの苦味ペプチド消去能(消去能/g)において高い値が認められた乳酸菌のうち、Lc.lactis ssp.lactis 527、Lc.lactis ssp. lactis IAM 1198、およびLc.lactis ssp.cremoris 317中に存在する苦味ペプチド消去関連酵素の局在性を調べた。各乳酸菌を細胞壁結合画分(F1)、細胞壁画分(F2)、細胞質画分(F3)、細胞膜画分(F4)の4画分に菌体分画し、苦味ペプチド消去能とタンパク質含量を測定したところ、3つの乳酸菌の全てにおいて、特にF4に高い消去能が認められることが明らかとなった。しかしながら、タンパク質あたりの苦味ペプチド消去能、すなわち比活性(消去能/mg protein)が最も高い値を示したのは、Lc.lactis ssp.lactis 527ではF3、Lc.lactis ssp.lactis IAM 1198ではF2、Lc.lactis ssp.cremoris 317ではF1であった。従って、苦味ペプチド消去関連酵素は菌種によって局在性が異なることが判明した。この結果は今後の苦味低減酵素精製のための知見として重要であり、さらに詳しく性質を調べることにより実際の乳製品製造、および食品製造への適用性の可否が明らかになると考えられた。
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