2003 Fiscal Year Annual Research Report
牛のパイエル板におけるトランスクリプトーム発現プロファイルの解析
Project/Area Number |
15780188
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
保田 昌宏 宮崎大学, 農学部, 助手 (10336290)
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Keywords | 牛 / パイエル板 / メッセンジャーRNA / 個体発生 |
Research Abstract |
牛には形態的に異なる2種類のパイエル板が存在する。さらに、牛パイエル板はB細胞が多様性を獲得する中枢リンパ組織である回腸パイエル板と末梢リンパ組織である空腸パイエル板の2種類に分類できることが知られている。本研究では、牛の空腸および回腸パイエル板の個体発生の課程において、それぞれのパイエル板で発現しているメッセンジャーRNA群のカタログつまりトランスクリプトームの発現プロファイルを作製し、その動態を差次的(場所および時間軸)に比較することにより2種類のパイエル板の機能差を解析することを目的とした。まず、胎生期パイエル板が形成される頃から出生後性成熟に至るまでの各時期の空腸および回腸パイエル板からメッセンジャーRNAを分離精製しトランスクリプトームのプールを作製した。さらにサブトラクションアッセイ法を用い、各々のcDNAグループを比較し、一方のグループに特異発現遺伝子の特定を試みた。しかしながら、それぞれのパイエル板における特異発現遺伝子の特定は困難であった。これは、パイエル板組織全体を用いたことやザブトラクションアッセイの感度が高いためメッセンジャーRNAの発現量に差があっても相殺されてしまうためであると考えられた。そこで、空腸および回腸パイエル板を構成するリンパろ胞を物理的に単離することを試み、その方法を開発した。つぎに、この方法を用いて単離リンパろ胞からメッセンジャーRNAを精製して比較解析を行っている。現在までに出生後2ヶ月の空腸パイエル板リンパろ胞で発現が観察されるインターロイキン4および13の発現が回腸パイエル板リンパろ胞では観察されないことが明らかとなった。インターロイキン4および13はB細胞イムノグロブリンのクラススイッチに関与する重要なサイトカインであることが知られている。つまり、空腸パイエル板リンパろ胞内B細胞と回腸パイエル板リンパろ胞内B細胞ではその成熟度に差があることが考えられた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] M Yasuda, M Fujino, T Nasu, T Murakami: "Histological studies on the ontogeny of bovine gut-associated lymphoid tissue : appearance of T cells and development of lgG+ and lgA+ cells in lymphoid follicles"Developmental and Comparative Immunology. 28. 357-369 (2004)