2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15780190
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
藤平 篤志 獨協医科大学, 医学部, 助手 (70307685)
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Keywords | PACAP / ドパミン / DOPA / 自発行動 / 大脳基底核 |
Research Abstract |
申請者のこれまでの研究から、PACAPの側脳室投与は自発運動量を増大させる可能性があることが示唆されている。また、視床下部におけドパミンニューロンはPACAP上の側脳室投与により活性化することから、自発行動を調節する神経核においてもPACAPが影響を及ぼすかについて本研究では検討を行う。 本年度はケージの床の動きおよび飲水量を測定・記録できる群大式Ambulo drinkoメーターを用いて、PACAP38を側脳室に投与した際の成熟ラットの自発行動を定量した。その結果、PACAP38の側脳室投与は投与後30分以内に自発運動量を増大させることが明らかとなった。自発行勤の亢進が認められた群におけるPACAP38の投与量は1nmolであり、0.25nmol投与群では、自発運動の亢進は認められなかった。 また、ドパミンニューロン活性の定量を目的として、PACAP38の側脳室にNSD1015を100mg/kg (腹腔内)投与し、30分後に脳組織を切りだして、組織中のDOPA含有量をHPLC・ECDにて定量した。その結果、PACAPS8の投与により、自発行動に関与する大脳基底核の尾状核ではドパミンニューロン活性の亢進が認められた。一方、同じく大脳基底核の側坐核ではドパミンニューロン活性は上昇する傾向は認められたものの、PACAP38投与の効果は有意ではなかった。その他のドパミンニューロン(黒質、腹側被蓋野、前頭皮質、嗅球)ではPACAP38を投与してもドパミンニューロン活性の上昇は認められなかった。 結論として、PACAP38の側脳室投与は急性に自発運動量の増大を引き起こすことが明らかとなり、その機序として、少なくとも一部には大脳基底核・側坐核のドパミンニューロン活性の上昇が関与していることが示唆された。
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[Publications] Tohei A, Mogi Y, Kon H, Hokao R, Shinoda M: "Strain difference in pituitary-adrenal axis between Wistar-Imamichi and Long Evans adult male rats."Experimental Animals. 52(5). 437-439 (2003)