2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15780190
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
藤平 篤志 獨協医科大学, 医学部, 助手 (70307685)
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Keywords | PACAP / Dopamine / DOPA / 自発行動 / ラット / 系統差 |
Research Abstract |
昨年度までの研究から、PACAPの側脳室投与は自発行動量を増大させること、また、その機序として、少なくとも一部には自発行動を調節する大脳基底核・側坐核のドパミンニューロン活性の上昇が関与していることが示唆された。 これまでの研究はWistar-Imamichi系を用いて行ってきたが、本年度は基礎値での自発行動量がより多い、Long-Evans系も用いてPACAPの自発行動に対する影響について検討を加えた。その結果、Long-Evans系よりもこれまでに用いてきたWistar-Imamichi系を用いた方が、より明瞭にPACAPの側脳室内投与による自発行動の亢進が認められた。また、大脳基底核のドパミンニューロン活性についてもWistar-Imamichi系を用いた方が、より明瞭にPACAP投与によって活性の上昇が確認された。基礎値での自発行動が高いF344系を用いても比較検討する予定であったが、ブリーダーの感染事故により本年度はF344系の入手が困難となりF344系を用いた実験は実施できなかった。 さらに、α-MT(100mg/kg)投与により内因性のドパミンを枯渇させたラットを用いた実験では、PACAPの側脳室内投与による自発行動の上昇が、α-MTの前投与により消失した。 以上のことから、PACAPの側脳室内投与による自発行動の上昇作用はラットの系統差が認められ、基礎値での自発行動活性が低いWistar-Imamichi系でより明瞭な反応が確認されることが明らかとなった。また、その機序はドパミンニューロン活性の上昇を少なくとも一部に介することが明らかとなった。
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