2003 Fiscal Year Annual Research Report
水中反応を指向した親水性補助基の開発と親水性不斉リガンドへの展開
Project/Area Number |
15790008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮部 豪人 京都大学, 薬学研究科, 講師 (10289035)
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Keywords | ラジカル反応 / イリジウム / インジウム / 環境調和 / 水中 / アリル化 |
Research Abstract |
グリーンケミストリーの重要性が認められるにつれて、環境調和適応型合成反応の開発が注目されている。私は、煩雑な保護-脱保護のプロセスを省ける水中反応の開発を目的として、ラジカル反応や遷移金属反応に着目した研究を展開している。今回は、金属インジウムが水中でラジカル開始剤として働き、水中タンデム型炭素-炭素結合形成反応に展開できることを新たに見い出した。さらに、金属インジウムとパラジウム触媒を用いたオキシムエーテル類のアリル化反応においては、水の有無によりジアステレオ選択性や位置選択性が変化することを見い出し、アリル化反応における可逆性と水の重要な働きを示すことができた。また、金属亜鉛をラジカル開始剤として用いた水中反応としては、ヒドラジン類へのジアステレオ選択的なラジカル付加反応が速やかに進行することを見い出した。さらに、新規閉環反応として、タンデム型付加-閉環反応やイリジウム触媒を用いた連続アリル位置換反応を検討し、これら反応が速やかに進行することを見い出した。今後、親水性側鎖の導入して水中反応に展開していく。また、遷移金属反応の新規酸素原子求核剤として、オキシムやヒドロキシルアミン類が有用であることを見い出した。そこで、現在、イリジウム触媒反応を用いた位置およびエナンチオ選択的な反応に展開すると共に、その水中反応を検討している。今後、本反応をモデルとして、親水性リガンドの開発に着手する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Masafumi Ueda, Hideto Miyabe, Azusa Nishimura, Okiko Miyata, Yoshiji Takemoto, Takeaki Naito: "Indium-Mediated Tandem Radical Addition-Cyclization-Trap Reactions in Aqueous Media"Org.Lett.. 5(21). 3835-3838 (2003)
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[Publications] Masafumi Ueda, Hideto Miyabe, Azusa Nishimura, Hisako Sugino, Takeaki Naito.: "Zinc-Mediated Radical Reaction of Glyoxylic Oxime Ether and Hydrazone in Aqueous Media : Asymmetric Synthesis of a-Amino Acids"Tetrahedron Asymmetry. 14(19). 2857-2859 (2003)
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[Publications] Hideto Miyabe, Hirotaka Tanaka, Takeaki Naito.: "Stannyl Radical Addition-Cyclization of Oxime Ethers Connected with Olefin Moieties"Chem.Pharm.Bull.. 52(1). 74-78 (2004)
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[Publications] Hideto Miyabe, Ryuta Asada, Kazumasa Yoshida, Yoshiji Takemoto.: "Free Radical-Mediated Tandem Reaction of Dehydroamino Acid Derivative : Synthesis of a,a-Disubstituted Amino Acids."Synlett. (3). 540-542 (2004)
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[Publications] Hndeto Miyabe, Yousuke Yamaoka, Takeaki Naito, Yoshiji Takemoto: "Palladium-Indium Iodide-Mediated Allylation and Propargylation of Glyoxylic Oxime Ether and Hydrazone : The Role of Water in Directing the Diastereoselective Allylation"J.Org.Chem.. 69(4). 1415-1418 (2004)