2004 Fiscal Year Annual Research Report
ピロロカルバゾール構造を鍵シントンとするインドールアルカロイドの合成研究
Project/Area Number |
15790020
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
樋口 和宏 明治薬科大学, 薬学部, 助手 (60360195)
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Keywords | ピロロ[2,3-d]カルバゾール / インドリン-3-オン / アスピドスペルミジン / ツビホリジン / ストリキニーネ |
Research Abstract |
ピロロ[2,3-d]カルバゾール化合物を共通合成中間体とし、アスピドスペルマ系及びストリヌキノス系化合物群の骨格構築を行なっている。申請者の計画するピロロカルバゾール骨格は、それぞれの化合物群のD環構築に使い分けできることが特長であり更に、目的アルカロイドへの置換基修飾も可能で、両アルカロイド群の合成戦略上の新たな展開が期待できる。また、申請者の合成経路は光学活性体合成に適用できるように考慮されている。 1.アスピドスペルミジンとツビホリジンの合成研究 申請者はインドリン-3-オンから11工程で、鍵合成中間体ピロロ[2,3-d]カルバゾールの合成を行なった。続くN-アルキル化によりD環構築に必要な側鎖部位を導入し、現在、分子内アルドール反応及びマイケル反応などにより、両化合物群のD環構築を種々検討している. 2.ストリキニーネ合成への展開 当研究室で見出した異常プメラニ反応は、ピロロ[2、3-d]カルバゾールの1位に種々の求核種を導入するために有用であるが、炭素求核種についてはC1ユニットに限定されていた。今回申請者はストリキニーネの合成に向け、必要となるC3ユニットの導入の検討し、アセチレン部位を有するグリニャール試薬を首尾よく導入できることを見出した。酸化段階の高い求核種をカルバゾールの1位に導入し、ラクタム環形成によりストリキニーネのF環部に相当する部位を構築した。 現在、プメラー反応によるD環構築を検討している。 3.不斉マイケル反応を用いた光学活性ピロロカルバゾールの合成 インドリン-3-オンの2位をメチルビニルケトンに付加させる工程がエナンチオ選択的に進行すれば、新規光学活性ピロロカルバゾールの構築法になる。また、前述の天然物の光学活性体合成においても重要な課題である。現在、光学活性相関移動触媒を用いた検討を行なっており、低い光学収率ながらも不斉誘導が可能であることを見出した。
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