2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790033
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黄 基旭 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教務職員 (00344680)
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Keywords | メチル水銀 / ユビキチン / プロテアソム / Ssb1 / Tef2 |
Research Abstract |
これまでに細胞内にはメチル水銀毒性を増強させる因子が存在し、メチル水銀に暴露された細胞はこの因子を蛋白質分解経路の一つであるユビキチン・プロテアソムシネテムによって分解することでメチル水銀毒性から回避している可能を示してきた。そこで、本年度は二次元電気永動法を用いて、酵母をメチル水銀処理することで発現が量的に減少する蛋白質を検索したところ、既に同定したTef2(translation elogation factor 1 alpha)につづき、Ssb1(heat shock protein 70 familyの一つ)を同定することに成功した。そこで、定量PCR法を用いててメチル水銀処理が両蛋白質のmRNAの発現量に及ぼす影響を検討した。その結果、メチル水銀処理は両蛋白質のmRNAの発現量にはほとんど影響を与えなかった。一方、C末端にHAタグを融合させたSsb1-HAおよびTef2-HAを発現させた酵母をメチル水銀処理したところ、両融合蛋白質濃度の減少が認められた。また、抗HA抗体による免疫沈降画分の抗ユビキチン抗体を用いたWestern blottingにより、両蛋白質が共にユビキチン化されることが確認された。このことから、両蛋白質はユビキチン・プロテアソムシステムによって分解される可能性が考えられる。両蛋白質を高発現させた酵母のメチル水銀感受性は正常な酵母と同じ程度であったが、両蛋白質の細胞内レベルがユビキチン・プロテアソムシステムによって制御されていて、高発現してもその濃度が上昇しない可能性も考えられる。そのため、今後はユビキチンとの結合ができない変異体など様々な変異体を細胞内に発現させることにより、両蛋白質とメチル水銀感受性との関係を検討する予定である。
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