2003 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖リガンドを介したSiglec-2(CD22)のB細胞活性化調節機構の解析
Project/Area Number |
15790042
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹松 弘 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (80324680)
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Keywords | シアル酸 / B細胞活性化 |
Research Abstract |
CMP-N-アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)水酸化酵素反応は細胞質中の糖供与体のCMP-Neu5AcからCMP-N-グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)を生合成するMonooxygenaseである。この反応は自然界に多種存在するシアル酸の修飾の一つを担う反応であり、今回、この反応系での律速酵素であるCMP-Neu5Ac水酸化酵素遺伝子欠損マウスを作製した。この反応が欠損することで、Neu5Gcを欠損したマウスが生まれ、CMP-Neu5Ac水酸化反応が細胞でのNeu5Gc生合成に必須の反応であることが示された。一方、マウスB細胞膜上に存在するB細胞受容体の共受容体分子であるSiglec-2(CD22)はNeu5Gcを含むリガンド糖鎖を認識するため、これを介した分子認識に必要な糖鎖リガンドがNeu5Gc欠損マウスでは欠損していることを示してきた。また個体レベルでの解析より、Siglec-2(CD22)の糖鎖リガンドを欠損によりSiglec-2(CD22)自身の欠損と同様、B細胞は高反応性の表現型を示すことが明らかとなった。この際のB細胞活性化亢進は細胞レベルでのB細胞増殖アッセイにおいて、糖鎖リガンド欠損マウスで増強していると言うことから、細胞レベルでの反応性の変化により個体レベルでの変化が説明できることが明らかとなった。興味深いことに、個体レベルでは変化の無かった胸腺依存性抗原刺激と類似の刺激である抗CD40抗体による刺激においては、Siglec-2(CD22)の糖鎖リガンドの有無に依らず、一定の増殖が見られ、B細胞の反応性の違いに一定のシグナル特異性を見いだせた。
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Research Products
(1 results)