2003 Fiscal Year Annual Research Report
構造生物学的なAMF-AMFR複合体の解明およびその応用
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15790044
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
羽賀 新世 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (30311905)
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Keywords | AMF / AMFR / MMPs / N-糖側鎖 |
Research Abstract |
オートクラインモティリティファクター(AMF)は腫瘍細胞の運動刺激因子として発見され、受容体(AMFR)は7回膜貫通型糖蛋白質である。AMF-AMFR結合はAMFRのN-糖側鎖を介して起こることが予想されている。 AMF-AMFR結合機構を構造生物学的に解明するため、組換え型AMFRを作出すべくヒト完全長、247-、313-、323-、340-、359-、392-C末端およびマウス完全長、219-、279-、322-C末端をそれぞれコードするcDNAを単離した。またAMFRは細胞外部分にRINGH2モチーフを有し、ユビキチンリガーゼとしても機能する。マウスAMFRのRINGH2モチーフをコードするcDNAも単離した。これらを様々な大腸菌発現系に組換え、可溶化を試みた結果、GST融合発現系で良好な成績が得られた。RINGH2モチーフの大量精製に成功し、これに対する抗血清を作成中である。 AMF発現ベクターを構築し、ヒト腫瘍細胞に導入し、ベクターのみを導入した株に比較して約2倍の運動能を示すAMF高分泌株を確立した。これらの遺伝子発現をマイクロアレイで比較した結果、高発現株でマトリックスメタロプロティナーゼ(MMP)-3、-2、-1が、著しく増加しており、ベクター株に比較して、基底膜基質に対する約2倍の浸潤増強もみられた。別の腫瘍細胞にAMFを曝露させた場合も同様の現象が確認され、AMFによるMMPs発現上昇は転写阻害剤で抑制された。TK、PKA、G-proteinが本件細胞内シグナリングに関わっていることが示唆された。ヒト臍帯静脈内皮細胞にAMFRを認め、AMFがその運動を刺激することを以前に報告しているが、HUVECのMMPs分泌に対してはAMFの効果はみられなかったことから、AMFのMMPs転写発現に関わる因子は腫瘍特異的と考えられる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Haga A, Funasaka T, Niinaka Y et al.: "The Autocrine Motility Factor signaling induces tumor apoptotic resistance which regulates apoptosome expression."Int.J.Cancer. 105. 707-714 (2003)