2004 Fiscal Year Annual Research Report
アラキドン酸代謝物による分子シャペロン機能調節メカニズムを探る
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15790047
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中谷 良人 昭和大学, 薬学部, 講師 (80266163)
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Keywords | cPGES / ノックアウトマウス / 胎生致死 / アラキドン酸代謝 / 分子シャペロン |
Research Abstract |
前年度までに、プロスタグランジン(PG)E2生合成経路の最終段階を触媒する酵素である細胞質型PGE合成酵素(cPGES)を同定し、シクロオキシゲナーゼ(COX)-1と機能連関して即時的PGE2産生に関与することを明らかにしてきた。一方、cPGESはコシャペロンタンパク質であるp23と同一分子である側面も有しており、本年度の研究では、cPGESの生体内機能を解明するためにcPGES-/-マウスの樹立を行った。 cPGESの酵素活性に必須の9番目のチロシンをコードするエキソン2をネオマイシン耐性遺伝子で置換できるターゲティングベクターを構築し、本ベクターをマウス胚性幹細胞に導入して得られた相同組換えクローンを用いて、常法に従いノックアウトマウスを作製した。 その結果、cPGES+/-マウスは正常に発育し生殖能力にも異常は見られなかった。しかし、cPGES+/-同士を交配した結果、cPGES+/+とcPGES+/-はほぼ1:2の比率でメンデル律に従って生まれたが、cPGES-/-はcPGES+/+に対して0.15と顕著に少なく、得られたcPGES-/-新生児も生後まもなく死亡した。従って、cPGES-/-マウスは胎生致死あるいは生直後に死に至ることが明らかになった。この表現型はこれまで知られている他のアラキドン酸代謝酵素のノックアウトマウスより重篤であり、cPGESがマウスの正常な発生や生存に必須であることがわかった。
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Research Products
(5 results)