2003 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質相互作用が関与する多価不飽和脂肪酸ヒドロペルオキシドの消去機構
Project/Area Number |
15790051
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
西山 貴仁 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (80307686)
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Keywords | タンパク質相互作用 / GST / FABP / 脂質過酸化 / glutathione peroxidase |
Research Abstract |
Two-hybrid systemを用いたラット(r)fatty acid binding protein(FABP)とglutathione S-transferase(GST)T2-2によるタンパク質相互作用を解析するために下記の実験を行った。すなわち、rFABP cDNAの塩基配列を基に、ラット肝より調製したmRNAを用いてRT-PCRを行い、rFABP cDNAの増幅・クローニングを行った。次いで、既に我々の研究室で単離しているrGSTT2サブユニットをコードしているcDNAの翻訳領域をpBT baitベクターに、rFABP cDNAの翻訳領域をpTRG targetベクターにそれぞれ組み込んだ。今後、得られたプラスミドでE.coliをトランスフォームしtwo-hybrid systemによりタンパク質相互作用を解析する。 ヒト(h)FABPとhGSTT2-2のタンパク質相互作用の解析を行うために下記の実験を行った。すなわち、HepG2細胞より単離したmRNAを用い、それぞれの塩基配列を基にRT-PCRによりcDNAの増幅・単離を行った。得られたcDNAの翻訳領域を、pBT baitおよびpTRG targetベクターにそれぞれ組み込んだ。今後ラットの場合と同様に、two-hybrid systemによりタンパク質相互作用を解析する。 hGSTT2およびhFABP cDNAの翻訳領域を大腸菌発現ベクターpET14bに組み込み発現プラスミドの構築を行った。現在両タンパク質の発現実験および酵素精製条件について検討中である。 予備的な検討として、発現タンパク質のサイトゾールを用いてPUFAのヒドロペルオキシドに対する還元活性をhFABPの在不在下において行った。その結果、hGSTT2-2単独の場合、その還元活性はPUFAのヒドロペルオキシドにより強い基質阻害を受けた。一方、hFABP共存下ではhGSTT2-2のglutathione peroxidase活性は基質による阻害を全く受けないことが明らかとなった。
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