2004 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質相互作用が関与する多価不飽和脂肪酸ヒドロペルオキシドの消去機構
Project/Area Number |
15790051
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
西山 貴仁 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (80307686)
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Keywords | タンパク質相互作用 / GST / FABP / 脂質過酸化 / 酸化的ストレス |
Research Abstract |
平成15年度に作成したtwo-hybrid systemを用いてラットおよびヒトのFABPとGSTT2とのタンパク質相互作用の解析を行った。その結果、ラットではFABPとGSTT2を含むベクターで大腸菌をトランスフォームした場合においてのみコロニーの形成が認められ両タンパク質が相互作用していることが確認された。しかしながら、このタンパク質相互作用はコロニー形成能から評価すると弱いものであると推測された。ヒトの場合も同様にFABPとGSTT2との間で弱いタンパク質相互作用が認められた。 HepG2細胞を用いてヒトGSTT2安定発現株(HepG2/GSTT2)を樹立した。本細胞株に対して酸化的ストレスを誘導し、コントロール細胞と比較することにより酸化的ストレスに対するGSTT2の役割を評価した。HepG2およびHepG2/GSTT2に対し種々の濃度の過酸化水素を暴露した場合、濃度依存的に細胞死の増加が認められた。しかしながら、HepG2/GSTT2はHepG2と比較して優位に過酸化水素による酸化的ストレスに対して耐性を示した。さらにクメンヒドロペルオキシドによる酸化的ストレスに対しても同様の検討を行った結果、過酸化水素の場合以上にHepG2/GSTT2はクメンヒドロペルオキシドによる酸化的ストレスに対して耐性を示した。以上の結果から、GSTT2は酸化的ストレスに対する防御機構として重要な役割を担っていることが明らかとなった。今後、HepG2/GSTT2にFABPを共発現させた細胞系の樹立を行い、酸化的ストレスに対してGSTT2およびFABPが協調的に働くことにより酸化的ストレス防御能が増強されるか否かについて検討する予定である。
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