2004 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス実行に関わるアポトソーム系制御因子の同定
Project/Area Number |
15790057
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
馬島 哲夫 財団法人癌研究会, 癌化学療法センター・基礎研究部, 研究員 (30311228)
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Keywords | アシルCoA合成酵素 / Apaf-1 / アポトソーム / アポトーシス / 癌 |
Research Abstract |
アポトーシスは細胞増殖の負の調節に重要な役割を果たす。アポトーシスのシグナル伝達の中心過程では、ミトコンドリアから遊離されたチトクロムCがApaf-1に結合し複合体アポトソームを形成し、下流のカスパーゼを活性化する。本研究ではこれらのヒト難治固形癌由来アポトソーム阻害因子、および癌治療の標的となりうる制御因子の同定を行う。本年度は以下の成果および研究の進展を得た。(1)前年度までに得られたヒト固形がんのアポトソーム活性レベル・データを3000化合物の細胞毒性の選択性パターンのデータベース(癌研でオリジナルに所有)とCOMPAREプログラムを用い照合することにより、アポトソームを直接活性化誘導する化合物を見出している。この標的分子の解析から、アポトソーム活性化の初期制御にアシルCoA合成酵素が関わることを見出した。また、アシルCoA合成酵素阻害によって、ミトコンドリアからのチトクロムc放出、カスパーゼ活性化が誘導され、アポトソーム活性が高いレベルに維持されているp53変異がんに選択的細胞死が誘導できることを示した。(2)DNAマイクロアレイ解析により、アポトソーム低下癌に選択的発現亢進の認められる遺伝子群を抽出した。これらの候補分子の中で発現パターンをRT-PCRにより確認できたものについて、その機能解析を行なうため、全長cDNAをPCRによってクローニングした。今後はこれを発現ベクターに導入することによって、アポトソーム阻害分子の絞り込みを行なう。(3)アポトソーム活性低下がんのひとつである前立腺癌DU145細胞より完全長cDNA発現ライブラリーを構築した。これを用いた新たなアポトソーム阻害蛋白質をスクリーニング系構築のための予備検討を行なった。
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