2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790080
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
木村 朋紀 摂南大学, 薬学部, 助手 (70340859)
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Keywords | MTF-1 / ドミナントネガティブ体 / アデノウィルスベクター / 酸化ストレス |
Research Abstract |
本年度は、前年度に構築したC末端欠失型MTF-1(ドミナントネガティブMTF-1)により細胞レベルでMTF-1活性を阻害し、その表現型を観察することでMTF-1の機能を探ることを目的とした。まず、ヒト肝癌細胞株、HepG2細胞において、C末端欠失型MTF-1を安定発現している4細胞株を樹立した。この4細胞株のMTF-1依存的転写活性をルシフェラーゼレポーターベクターを用いて評価したところ、本活性は野性株に対して1/2〜1/4に低下していた。C末端欠失型MTF-1を一過性に発現するとMTF-1活性が1/10にまで低下したという前年度研究結果とあわせて考えると、C末端欠失型MTF-1によってMTF-1阻害を安定的に行なうことは困難であると考えられた。そこで一過性にC末端欠失型MTF-1を発現してMTF-1活性を阻害するため、アデノウイルスベクターによる導入を試みた。C末端欠失型MTF-1発現アデノウイルスベクターを構築し、本ベクターによりMTF-1がどの程度阻害されるのかを前述のレポーターベクターを用いて評価すると、MTF-1活性は1/8以下にまで低下することが可能であった。最後に、MTF-1の酸化ストレス感受性への関与を明らかにする目的で、本ウイルス感染細胞のtert-butyl hydroperoxide (tBH)感受性をコントロールウイルス感染細胞と比較したところ、tBH感受性は有意に上昇していた。弱いながらもMTF-1阻害が認められた4種のC末端欠失型MTF-1安定発現株についてもtBH感受性を調べ、4種すべての細胞株においてtBH感受性は野性株に対して有意に上昇してるとの結果も得た。以上の結果は、MTF-1がその転写活性化能によって細胞に酸化ストレス抵抗性を付与しているということを示すものである。
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Research Products
(1 results)