2003 Fiscal Year Annual Research Report
必須金属マンガンの輸送機構の解明と有害性重金属カドミウムとの相互作用に関する研究
Project/Area Number |
15790082
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
柳谷 隆宏 独立行政法人理化学研究所, 肥満関連遺伝子研究チーム, 研究員 (40322698)
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Keywords | カドミウム / マンガン / トランスポーター / 耐性細胞 |
Research Abstract |
1.Xenopus laevis oocyteを利用したMn transporterの検索 カドミウム(Cd)およびマンガン(Mn)の取り込みが抑制されたCd耐性細胞とその親株からmRNAを抽出して、これを卵母細胞に注入した。この卵母細胞を24時間培養した後、培養液に放射標識したMnを添加して2時間後のMnの蓄積量を調べた。その結果、親株のmRNAを注入した卵母細胞よりも耐性細胞由来のmRNAを注入した卵母細胞の方がMnの蓄積量が少なくなっていた。このことから、親株のmRNA中に、Mnの取り込みに関与する遺伝子産物が含まれている事が確認された。そこで、抽出したmRNAの一部を用いて、これを鋳型とする完全長cDNAを合成した。このcDNAをベクターに組み込んだ後に大腸菌に導入して、約10000コロニー/plateになるように大腸菌を播いた。このようなplateを50枚用意し、各plate上のコロニーをすべて回収してplasmidを抽出して、50通りのplasmid混合液を得た。この混合plasmidを鋳型として、in vitroで転写反応を行うことにより50種類の混合cRNA溶液を得た。現在、このcRNAを卵母細胞に注入して、MnおよびCdの取り込みについて検討中である。 2.Cd耐性細胞株と親株を利用したSubtractive hybridizationによるMn transporterの検索 Cd耐性細胞および親株由来のds cDNAを合成した後、両cDNAを制限酵素RsaIで消化後、親株由来のcDNA断片を2分してそれぞれに異なるアダプターI、IIを連結した。次に、それぞれの親株由来のcDNA断片と耐性細胞由来のcDNA断片をハイブリダイズした。今後、suppression PCR法を利用して、親株細胞に特異的に発現している遺伝子を解析する。
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