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2003 Fiscal Year Annual Research Report

転写因子NFκB阻害薬害による新しいアポトーシス誘導機序に関する研究

Research Project

Project/Area Number 15790100
Research InstitutionTeikyo University

Principal Investigator

渡部 正彦  帝京大学, 医学部, 助手 (90301788)

Keywordsアポトーシス / 転写因子 / 癌
Research Abstract

転写因子NF-κBは、細胞死シグナルを回避するために重要な蛋白合成に関与し、細胞の生存・維持にとり必須蛋白である。しかし、細胞増殖が盛んな癌細胞の中には正常細胞と較べ、このNF-κBの転写活性が異常に高いものがある。従って、この転写因子を標的とした癌治療薬の可能性が考えられる。蜂蜜中に含まれる成分の一つであるカフェイン酸フェネチルエステルは、この転写因子NF-κBの阻害作用を有することが明らかとなった。本研究では、カフェイン酸フェネチルエステルが癌細胞を死滅させる機構を明らかにし、臨床応用の理論的基礎を構築することを目的とした。
癌細胞の中でも、現時点では薬物治療効果があまり認められていない固形癌由来の癌細胞であり、かつ転写因子NF-κBの活性が著しく高いヒト乳癌由来MCF-7細胞を用いた。カフェイン酸フェネチルエステルがMCF-7細胞の生存率に対してどのような影響を及ぼすのかについて、トリパンブルー排出試験を行い調べた結果、カフェイン酸フェネチルエステルの濃度および処理時間依存的に細胞生存率の低下が観察された。この時観察された細胞死がアポトーシスによるものであるか否かにつき、アポトーシスにおいて認められる特徴的な現象であるDNAの断片化をアガロースゲル電気泳動により、また核断片化の様子をHoechst染色により検討を行った結果、アポトーシスであることが示された。一方、ヒト正常細胞での効果を比較するためにWI-38細胞を用いたが、カフェイン酸フェネチルエステルはWI-38細胞に対してアポトーシスを誘導しなかった。また、カフェイン酸フェネチルエステルによりMCF-7細胞内のNF-κBの転写活性が抑制されることを、リポーター遺伝子であるルシフェラーゼの上流にκB配列を構成的に組み込んだベクターを用いて、ルシフェラーゼアッセイにより調べた結果、カフェイン酸フェネチルエステルにより細胞内のNF-κBの転写活性が抑制されることが確認された。

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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