2003 Fiscal Year Annual Research Report
関節軟骨疾患をターゲットとした細胞周期調節因子p21遺伝子による軟骨再生の試み
Project/Area Number |
15790101
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
根岸 洋一 帝京大学, 薬学部, 助手 (50286978)
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Keywords | 軟骨細胞 / p21 |
Research Abstract |
本研究では、p21遺伝子による関節軟骨疾患の治療法を確立することを目標とする。平成15年度では、テトラサイクリン誘導性p21遺伝子発現ベクターを未分化軟骨細胞ATDC5に組み込んだ細胞株の樹立を行うことで、in vitro培養系で軟骨破壊を抑制する実験系の確率を目指し、以下の実験を遂行した。第一段階としてATDC5細胞にTet-OFFベクターを組み込んだ細胞株の樹立を試みた。G418耐性株をおよそ40個クローニングし、得られた細胞にそれぞれTRE-Luciferase遺伝子を一過性に導入した後に、テトラサイクン存在下、または、非存在下で48時間培養し、得られたそれぞれの細胞株がテトラサイクリンに依存してLuciferase活性が認められるか否かを調べた。その結果、クローン1-4と2-5において約100倍近く活性誘導がなされることが明らかとなった。すなわちテトラサイクリンによって発現のON-OFFが認められた。次に得られたクローンにさらにTRE-p21発現ベクターとTK-Hyg(ハイグロマイシン耐性遺伝子発現ベクター)をクローン2-5に共遺伝子導入し、ハイグロマイシン耐性株のクローニングを行った。4種のクローンが得られ、それらに対しテトラサイクリン存在下、または、非存在下で48時間培養した後に、その細胞内でのp21タンペク質が検出されるかをウエスタンブロット法によって解析した。その結果、クローン1-6では発現がなされたがテトラサイクリンによる発現のON-OFFは認められなかった。他のクローンについてはp21のタンパク質発現がほとんど検出できなかった。現在、再度クローン1-4と2-5にTRE-p21発現ベクターとTK-Hygを遺伝子導入しp21発現細胞株のクローニングを行っている。
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